就任2か月で叩かれ出した尹錫悦。早くも文在寅と同じ“大統領病”か

 

彼の出発は豪気(剛毅でも可)である。彼の生まれ持った個人的気質でもあるが、彼はたくましく出発している。何よりも文在寅政権が壊した対北朝鮮安保と国防、そして大韓民国のアイデンティティを元の位置に戻そうとする意志と試みがそうだ。

尹大統領の国際舞台進出は、国民の心配とは裏腹に円満に行われている印象がある。なんの猶予期間も経ずして直ちに米国の中心のブロックに突進することが性急に見えたが、前任の親中・親北朝鮮路線を払拭するのには十分に寄与している。

しかし、豪気という言葉には「威張る」という意味もある。人々は彼がたくましいあまり、ひょっとして偉ぶる人間になるのではないかと警戒心を持ってみている。一部の世論調査の結果も彼に好意的ではない。

就任して2か月余りの大統領に与える点数としては非常に厳しい(新任の時期は誰でも点数は高く出るものなのにだ)。関係者たちはその原因を人事と経済に置いているが、これは尹錫悦が後々までぶつかるべき左派攻勢の始まりと見るのが正しいだろう。

すでに民主労総の大規模デモで始まった左派の攻勢は、今後尹政府を絶えず苦しめ、この社会をさらに無秩序に追い込むだろう。

新任大統領に許されるといういわゆる「大統領のハネムーン」期間はすでに終わっている。今や彼の前には目まぐるしい「反対」だけが積もっていくだろう。彼の保護膜は保守・右派層だが、彼らさえ経済の乱脈と破綻に振り回されることになれば、彼の友軍は大幅に減ることもありうる。

誰かがこんなことを言った。「大統領というのは、空軍1号機に乗って海外訪問する時と、軍隊を査閲する時に、俗に“ブーン”と浮上する(大統領として大満足の気分になれる)」と。

わたしはそれにもう一つ付け足してやりたい。それは人事だ。大統領は人事で権力を満喫することになる(思いのままに人事すること)。このようなことを称していわゆる「大統領病」と言ったんじゃないのか。

大統領は「大統領」に酔ってはならない。私たちは歴代大統領とその夫人たちが大統領病にかかって演出した寸劇をよく見てきた。

尹大統領はこれ以上大統領を楽しむ時間も、それに酔っている余裕もない。もうゴシップや写真でニュースを飾るのはやめてほしい。

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