現在、中国のファッション業界では、マミアンスカートをあまり取り組まれていなさそうである。マミアンスカートが中国人の服飾の歴史舞台から姿を消したのは、1920年代から1930年代にかけてである。正直言って、今回のディオール騒動がなければ、多くの人はマミアンスカートを知ることはなかっただろう。
2つの服飾のデザインが視覚的に類似しているからといって、かならずしも盗用とは言えないだろう。デザイナー同士の争いの場合、他人が自分の作品をコピーしたことを証明したい場合は、自身の思考の源やデザインの全過程を説明することで、オリジナリティを証明するのが一般的だ。
しかし、広い意味では、現在のすべてのデザイナーは先人の上に立っていると言えるので、知的財産権の保護はファッション・デザインの分野では共通のジレンマである。
マミアンスカートはグラフィックとして特許を取得しておらず、主流のファッション文化の明白なシンボルではないため、知的財産権保護が申請されていない場合、その文化的要素は「盗用」と定義するよりも「参考」というほうがふさわしい。
ファッション業界のことを言えば、海外文化の取り入れは避けられない。それと同じように、中国のデザイナーも海外の伝統や文化や流行要素の良いところを参考して、さまざま人の経験を継承し、自分たちのデザインに融合させるわけである。
加速するファッション業界の歯車に巻き込まれたデザイナーにとって、異国の文化は最も手に取りやすいインスピレーションの源となっている。デザイナーは各国の文化から学び、新しい要素でイノベーションを起こす。
近年、情報伝達の容易さ、国民的文化意識の目覚めと相まって、「文化の盗用」と「文化の流動」をめぐる論争が頻発しており、ディオールもそのような論争に巻き込まれたことが何度かある。
今回の騒動は、異なる文化の相互学習と流動について議論する機会であるべきだ。排外主義のナショナリズム感情の新しい波を引き起こしてはいけない。抗議するより、議論・交流のほうが重要である。
もう一つ、長い間、中国企業は、単に手っ取り早く利益を得るために、多くの外国企業の製品をコピーしてきたという事実を反省する必要がある。
(メルマガ『黄文葦の日中楽話』2022年8月1日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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