「ウクライナは地図から消える」主張
7月29日ニューズウィークを見てみましょう。
<メドベージェフがSNSに投稿した「戦後の地図」によれば、ウクライナはキーウ州を残してすべてロシアや周辺国に吸収されることになるという>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の「忠臣」として知られる、ドミトリー・メドベージェフ前大統領が、これが「戦後のウクライナ」だとして東ヨーロッパの地図をインターネット上に投稿した。そこではウクライナのかなりの部分が、ロシア連邦に吸収されていることになっている。
この地図に示されているウクライナはキーウ州のみで、ドンバス地方を含む大半の地域が、ロシアの領内に入っている。東部ドンバス地方(現在は多くの地域が親ロシア派勢力の支配下にある)のほかに、ドニプロ(ドニエプル)、スーミ、ザポリージャ、ヘルソン、チェルニヒウ、クロピヴニツキー、チェルカッスイやミコライウなどの地域も、ロシアの支配下に入り、さらにオデーサ港もロシア領として示されている。
どうですか、これ?今度は、メドベージェフ前大統領の発言です。
「ロシアは、ルガンスク、ドネツクのロシア系住民を救う」
のが目標だったのでは?実際は、ウクライナのほとんどをロシア領にしたい。
メドベージェフは地図の投稿に先立ち、「現在展開されている出来事の結果として」、国家としてのウクライナは地図上から消えるかもしれないと警告していた。
(同上)
なぜ対ロシア制裁が必要なのか?
どうでしょうか?元上院議長は、「北海道はロシア領」と主張。下院議長は、「アラスカはロシア領」と主張。前大統領は、「ウクライナは世界地図から消える」と主張。私たちが相手にしている国のトップは、こんな人たちなのです。繰り返しますが、この発言は、すべて事実です。
確かに、制裁の結果、日本でもインフレが深刻です。しかし、ここでプーチンを止めなければ、いったいどんな暗黒世界が現出するのでしょうか?そして何よりも、プーチンが逃げ切れれば、今度は習近平が台湾侵攻にゴーサインを出します。その時起こってくる悲惨さは、今とは比較になりません。
習近平に台湾侵攻の決断をさせないためにも、プーチンをウクライナで止める必要があるのです。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年8月2日号より一部抜粋)
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