解説
先に述べたように日本人は往々にして我慢に我慢を重ねて、それを爆発させるような行動(戦争)をとります。戦争になったら、交渉もなにもありません。
しかし、「戦争慣れしている」欧米では戦争も交渉の一形態として一種のゲームのような要素があります。
相手が強く意見を言ってきたら、強く言い返す。罵声を浴びせてきたら、罵声で返す、殴ってきたら殴り返す。ピストルを見せたら、ピストルを見せる、といったように段階的に行ってどこまでが許容範囲なのかを測りながら妥協点を見出すのです。
「核戦争はしない」が1945年以降の大ルールです。
そのゲームのルールを日本人はあまり知らないと思います。そういった駆け引きのルールを身に着けることも重要です。
欧米もロシアも中国もある意味、けんかに慣れています。日常生活においてもです。
しかし日本人は「けんか」を調和を乱すものとして嫌悪してきました。けんかを起こす人は両成敗という形でグループから排除されたりします。
その「けんか嫌い」の国民性が、外交における弱点になっている気がします。中国や韓国への外交対応でもその欠点があり、今はその処理で苦労しています。
破滅的な戦争を避けるために、柔軟かつ緻密に計算された喧嘩をする、そういった発想が欲しいものです。それはこの論文から学ぶ点です。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』7月31日号の一部抜粋です。続きを読むには、2022年7月分のバックナンバーをご購入ください)
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