この本では「できるだけ低コストで世界の主要地域のバランス・オブ・パワーを維持する」ため、日本とポーランドを中国とロシアに対抗するための外交・軍事面で同盟を強化していくべきだと提言しています。
日本、ポーランドが最初の防衛ラインとなることで、アメリカが軍を展開するまでの時間稼ぎができ、アメリカの限りある軍事資源を有効活用できるのです。
同盟国がアメリカに提供してくれる最も重要な地政学的利益とは、紛争が始まる前にそれを阻止してくれるという点だ。防衛的な同盟は、複数の国家の軍事的資源を結集させて侵略を抑止する役割を果たす(p171)
日本、ポーランドの立場から見れば、自国が防衛ラインとなるのは本意ではないかもしれませんが、アメリカから見れば日本とポーランドには軍事的に価値があるのです。
それに対して中国の政府高官は、「米国は中国と戦争になっても、防衛のために駆けつけてくれない」と繰り返し警告しており、アメリカの影響力を排除しようとしています。
そうした疑念を排除するためにもアメリカは日米同盟を強化し、尖閣諸島への適用を明確化し、安全保障へのコミットメントを明確にしているのでしょう。
歴史的に見れば、軍事同盟が存在することで、戦争の抑止力があることは証明されています。ただ、戦争を完全に抑止できるわけではないので、短期間に圧倒されないように、常に軍事力のバランスを保っておく必要があるのです。
リギエルさん、ミッチェルさん、良い本をありがとうございました。
【私の評価】★★★☆☆(74点)
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