腐りきった政権を変えてくれるのでは?と、国民から大きな期待をかけられていた韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領。しかし、現在の評価はすこぶる悪いようです。韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『キムチパワー』では今回、評価がここまで下がってしまった理由と尹大統領が今すべきことについて語っています。
権力を握ったものの落とし穴
尹錫悦(ユン・ソンニョル)は降ってわいたように韓国の大統領になった。検察総長時代、露骨な「イジメ」に遭いながらもよくそれを持ちこたえ、絶対に上部権力に屈しなかった点を国民は見ていて、このように正義に対する意志の固い人なら国の舵取りを任せてもいいだろうと考え彼を大統領に選んだ。期待はかなり大きかった。
しかし大統領になってからの彼のやり方を見ていると、はがゆいを通り越して、こりゃヤバイと思ってしまうほどだ。夫人金建希(キム・ゴンヒ。彼女は不正やミスが実に多いがこれ)について語るものがいるとその瞬間にカッと腹を立てたりするという。自分の嫌なことには耳を貸さないで自分を褒めてくれるほうだけを向いている。「権力を手中にしてこそその人の真価がわかる」と言ったのはリンカーンだったか。今回は東亜日報のコラムから尹錫悦を叱咤激励する文章をお届けしたい。
尹錫悦大統領は悔しいかもしれない。「わたしがどんな大過を犯したというのか。なんで就任3か月で支持率が任期末にもほぼ出ることのない20%台なのか。安保・経済・民生危機を招いたわけでも、誰かのように国政壟断事態を自ら招いたわけでもないのに…。むしろ外交・安保は韓米同盟を中心軸に、経済は馬車が馬を引く前政権の政策を経済論理に合わせて正常化しているのではないか。
私は政治に対する野望があったわけでもないのに、大統領の座におし上げておいてこのように揺さぶることができるのか」国益を増進するどころか国を害する国政運営をしても支持率40%前後を維持した前任の文在寅と比べると、寂しさは倍増するだろう。もしも尹錫悦にそのような悔しさと寂しさだけがあるとするなら、前任者と自分に対する支持の属性の違いおよび権力の生理を誤って理解しているのだ。