プーチンの軍事侵攻が誘発した「世界大乱時代」に日本が果たすべき3つの自立

 

このため、HIMARSを破壊したというロシアの発表では、衛星画像が使われるが、そこに映る画像は非常に荒く、HIMARSと認識できない。このため、ロ軍は砲撃を受けるHIMARSを捕捉するドローンが必要であるが、そのドローンをイランがパイロット込みで提供することになり、第1陣がロシアに提供されたという。イランは代わりにSU-35を複数機提供される物々交換のようである。

そして、このドローンを戦場で、ウ軍も確認しているとウ軍参謀本部は発表した。

よって、今まではHIMARSは破壊されていなかったが、今後は分からないことになる。早く対ドローン用防空システムの増強が必要である。

ロ軍の限界点に来て、プーチンは、同盟国に対して紛争拡大を志向しているようである。セルビアがコソボ国境付近で、ネオナチのコソボ打倒と銃撃を行っている。

逆にアゼルバイジャンは、ロシア軍の支援を受けられないアルメニアに対して、ナゴルノカラバフのラチン回廊の戦略的に重要な高地をいくつか占領したようだ。

ロシアは、現状での停戦を主張しているが、ウクライナは2月24日以前の状態での停戦と、停戦条件で折り合わない。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領もロシアとの停戦協議開始のために、中国の習近平国家主席と会談をするという。

ウ軍優勢であり、ロシアの譲歩が期待できるので、2月24日以前の所までロ軍撤退を交渉で得られるという目算があるのであろうか?

もう1つ、ロシアが負け始めると、限定核使用の心配をする必要があり、それを阻止するためにも中国のロシアに対する影響力が必要になっている。しかし、プーチンはNPTに「核戦争に勝者なし」と核兵器使用を躊躇している。

そして、一番大きいのは、ドイツ、フランス、イタリアなどが、冬に向けて、ロシア産天然ガス供給を止められると、政治的に現政権が持たないことで、ウクライナに停戦の要求をすることになる。

しかし、ロシアのガスプロムも「行先ない」余剰ガスを空中に放出しているようである。中国に送りたくともパイプラインの容量が不足なのであろう。このため、輸出量が8割も減っているので、国家財政も持たなくなっている。ドイツだけではなく、ロシアも困っているのだ。

欧州の危機を、ゼレンスキー大統領も認識している。冬までに戦争を終えるとセレンスキー大統領も再三述べていたが、その準備をする必要があるからだ。これを受けた形でプーチンも核使用はしないと述べた可能性もある。

そして、ウクライナの食糧輸出では、最初の貨物船がボスポラス海峡を通過してレバノンに向かっている。食糧価格は、小麦などの価格が下落し始めた。この問題では停戦協議にならなかったが、欧州のエネルギー不足は、停戦協議になるようだ。

早く、ウ軍が領土を奪還して、停戦に持ち込んでほしいと思い始めている。それは、ウクライナ戦争が続くと、世界大乱という状況を引き起こしかねないからだ。

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