プーチン亡命か暗殺か。近づくウクライナ戦争の終焉とロシアの後始末

 

ロシア敗戦後の世界秩序

ロシア敗戦は、クリミア半島やウクライナ全土の占領地を失い、プーチンの亡命や暗殺で終わる。

すでに、シリアへの亡命を準備しているとも聞く。

しかし、なぜロシアはカザフスタン攻撃を準備するのか、訳が分からない。中国を敵にすることになる。カザフは、中国に相談して、外交政策をしているので、プーチンは血迷ったとしか思えない。

どうも、民族国家は、他国への侵略を意図しないが、多民族を統治する帝国では、国家統一のために、敵を作る必要があり、常に戦争が必要になっているようだ。それも勝てる戦争である。

米国も常に戦争をしている。この意図は国家の分断を阻止する必要からで、敵を作ることで国家統一を維持している。今、米国内中西部と沿岸地域に国論が分裂しているが、それぞれの地域の人たちの性格が違い、かつ民族などの連帯を維持する要素もないことで、他地域の人たちを理解できない。

これは、ロシアや中国でも同じである。米国は民主主義を発展させるという理想で国家を維持してきたが、貧富の差が大きくなり、その理想での国家維持ができなくなってきている。

一方、ロシアと中国は、国家を拡大する方向で国民を統合しているので、どうしても、領土拡大を目指すことになる。勝つ戦争の志向が国家統治の面からも、組み込まれている。

そして、米国の力と中国の力とロシアの力がぶつかりあうと、大戦争になる。米国は民族国家を助けて、民主主義を守るという理想があり、ロシアと中国とは反対方向である。

今、ロシアはウクライナへ侵略したが、これを認めると、次の侵略を繰り返すことになる。カザフへの侵略もウクライナでは、これ以上戦争に勝てないので、勝てる戦争として、弱いカザフを狙うことになる。勝てないと経済困窮を説明できないから、どうしても勝てる戦争が必要になっている。

中国もカザフへの影響力があり、中国でも勝つ戦争願望のロシアの行動を容認できない状況になってきたので、カザフを巡り、米中がタッグを組みそうである。

もう1つが、米国の対中経済制裁で、中国は現在でも不動産不況から金融不況と複合不況になりそうであり、その上に西側企業の撤退や中国企業のNY株式市場上場廃止になると、中国経済が持たないことになる。このため、中国も正式にロシアと敵対することで、米国の対中経済制裁を緩めたいようである。

しかし、そうすると、ロシアの敗戦が必然となる。このため、ロシア敗戦後の世界秩序を考える必要になる。

中央アジア諸国の支配権は中国に譲ることは仕方がない。ロシアをどうするのかである。

ロシアの民主化は必然となり、ナヴァーリヌイ氏を民主化のトップに据えることになる。しかし、これだけでは、また「ロシアの夢」を将来、言う人が出てしまう。

ということで、ロシア連邦の民族国家化であろう。ロシア内の共和国を分離独立させて、帝国化を防ぐしかない。

中国はロシア沿海州を自国領土であり、その返還を要求してくる。日本も千島列島、樺太の領有権を主張すればよい。というように、シベリアの自国領土化を中国、モンゴル、日本が主張するはずであり、北方領土以外は、住民投票で決めることにすればよい。

となるはず。それに向けて、日本も中国、モンゴルと調整することである。林外相は、中国との関係が良いので、打って付けである。

ロシアの共和国が民族国家化した後、日本は中国けん制のために、シベリアの民族国家群と経済安全共同体を構築して、中国包囲網を作る必要がある。というような、大まかな構想をもって、政治家は、日本を指導してほしいものだ。

ロシアとベラルーシのカザフ攻撃準備で、事態が大きく変化しているようだ。

さあ、どうなりますか?

(『 国際戦略コラム有料版 国際戦略コラム有料版 』2022年8月15日号より一部抜粋、続きは ご登録 ご登録 の上お楽しみください。 初月無料 初月無料 です)

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