プーチン亡命か暗殺か。近づくウクライナ戦争の終焉とロシアの後始末

 

それと、5月から始まった英国のウ軍新兵教育が終了して、今後毎月1万名の新兵が戦場に出てくることになる。1万人ということは、3個旅団分の人員が戦場に新しく投入できることになる。

このようなことで、1年以内にヘルソン州を解放すると、ウ軍現地司令官は述べているが、ドニエプル川右岸の可能性はあるが、川左岸はどうであろうか?

もう1つ、ウ軍に対レーダーミサイルのAGM-88HARMが供与されて、ロ軍の防空システムのレーダーを最初の3日で17基も破壊したようであり、電子兵器クラハ8も同様に破壊されている。このため、ウ軍のミサイルやロケット、航空機、ドローンを迎撃できなくなっている。

その上、マリウポリの対岸にあるロシア南部イエスクの石油備蓄施設で爆発火災があるとか、クリミア半島の東側の付け根チョンガル付近で大規模爆発とか、クリミア半島のノバフェドロフカのサキ海軍航空基地で、複数回の大規模爆発が起きたとかウ軍の攻撃が続いている。

爆発時に飛行弾道が見えないことから、巡航ミサイルや航空機による爆弾投下ではなく、パルチザンの攻撃でもなく、弾道ミサイルによる攻撃のようである。

パルチザンでは、このような大きな爆発物を複数個、基地内に気が付かれずに持っていくことは不可能である。ウ軍の特殊部隊の成果であるとウ軍は公表したが、それもない。

そして、サキ海軍航空基地のあるクリミア半島から脱出するロシア系住民や観光客の車列でクリミア大橋(ケルチ橋)は、大渋滞した。クリミア半島のロシア系住民もやっと、避難し始めたようだ。

この成果は、ヘルソン州の北中部ロゾベのウ軍橋頭保への空爆も少なくなったことでもわかる。

このサキ海軍航空基地への攻撃に対して、ロ軍は安全規則違反による爆発であり、死亡は1人、航空機は損傷していないと声明しているが、衛星写真では8機のSU24とSU30が完全に破壊され、多数が損傷しているし、ウ軍は操縦士や技術者ら60人が死亡、100人が負傷したとの分析を明らかにした。相当に大きな損害であったことになる。

なぜ、ロ軍はウ軍の攻撃ではなく、自軍の過失というのか不思議であるが、メドベーシェフ前大統領が「クリミア半島への攻撃は、即審判を受ける結果になる」と発言し、この意味は限定的核兵器使用をすることだ。

しかし、これを使用すると、世界的な批判とNATO軍からの核報復を覚悟する必要があり、プーチンは核使用を躊躇しているようである。

対して、ゼレンスキーの演説では、「戦争はロシアのクリミア半島占領から始まった。半島の解放で終わらなければならない」と述べている。このクリミア半島解放を始めるということのようだ。

ということで、クリミア半島も戦火が及ぶことになるが、トルコ政府は、外国籍のクリミア・タタール人に長期居住権を与えるとし、通常8年間のトルコでの居住歴が必要だが、それも免除され長期居住権がもらえるとなり、クリミア半島から大量のタタール人がトルコに出ていくことになる。

しかし、イエスクもチョンガルもサキ基地もウ軍支配地から200km以上も離れている。このため、攻撃がHIMARSのロケット弾ではない。

何で攻撃かとなり、射程300kmの対艦ミサイルのネプチューンを地上攻撃用に改造した可能性とか、ウクライナは独自で、ロ軍のイスカンダル短距離ミサイルと同等なミサイルを開発中で、それが実戦で使われた可能性とか、秘密裏にATACMSを供与されていて、それをNATO承認の元で使用とか、いろいろと言われている。

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