日本企業の会議が「時間ばかりかかって実りがない」当然すぎる理由

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日本の会議って、偉い人が何か1つ言うとそこになびいていくし、「反論してもしょうがないや」ってことで言わなくなる。

超ファシリテーション力でものすごく大事なことは、ファシリテーターが自分の意見が言いにくい人に対して「今のタイミングで言ったらどうですか?」と目配せをしたり、「今までこういう意見があって前からこういう意見をおっしゃっていますけど、例えばどう思いますか?」みたいに、ちゃんと離陸路を作ってあげることです。そうすることで安心してしゃべれます。

逆にしゃべりすぎてしまう人に対しては、「今日は10人の意見を聞いて回りたいので、前半30分の間に1人2分くらいを目途にしながら意見を聞いて回って、その論点を後半まとめていきたいと思います。最初にぜひ○○さんのご意見を2分でお願いします」と事前に言っておく。そして、その方の話が長くなったら「2分でまとめていきたいので、いったんここまでにさせていただいて、みなさんの意見を聞いてから回りましょう」と言うことです。そうすると、意見の強い人にも「ちゃんと自分の言っていることが理解された上で、全員のために止めているんだな」と理解していただける。

このように、「リスペクトをもって全員の意見を聞くよ」という宣言をするのがめちゃくちゃ大事なんですよね。

もう1つ大事なことは、とはいえ全員の意見を引き出すと(某元首相が「女性が入ると会議が長くなる」という話をされましたが)時間が掛かります。論点が違う人から意見を聞けば、別の角度からいろんなものが見えてくる。そこを解決するためには当然時間が要るという話です。

いろんな人がいろんな方向から見ると、会議の時間は長くなるわけですよね。でも、会議では1時間なら1時間の中で結論を出すことが大事です。だとすると多様な論点をもらえばもらうほど、だれかが凝縮して時間を切って、「こことここの違いがあるけど、今回はここが大事だからここを話しましょう」「ここについては今日の時間の中で結論を出して、ここは次回でいいですね」と、論点をわける必要がある。論点をわけるためには「今の話はここまででやめましょう。ここに戻りませんか?」って、だれかが言わなきゃいけない。だから、「この役割をファシリテーターの人にまかせていきましょう」ってことを共通ルールとして持てばいいんですよね。

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