先ほど品のない表現で言った「骨がらみ」。骨がらみになっているのであれば、これを取り除こうとすれば、政党の根幹に関わるところを自ら破壊しなければならなくなるかもしれない。何より、統一教会の由来は、戦後アメリカの反共政策の中で日本の旧支配層の利用できる部分、岸さん、笹川さん、児玉誉士夫さん、それと韓国の文鮮明さんですよね。これを払拭した政権というのが自民党の中で出来るのかどうか。
宏池会は確かに清和会とはずいぶん趣の違う政治集団ということはできますが、今現在自民党の中にいる人たちですよね。で、岸田内閣の元で最大派閥は旧安倍派、あ、旧ではなく現在の安倍派。安倍さんはいないですが、安倍派。圧倒的な多数を握っている国会議員の数において。そういう部分が支えているのが岸田内閣ということになると、これを脱するためには外から倒してもらわないとダメなんじゃないでしょうかね。そういうふうに私などは思うのですがいかがでしょうか。
岸田さん、気の毒にコロナに感染してしまわれたので、重要な会議の時にリモートになって…妙な映像ですね。ずらっと主だった方が並んでいる。一番真ん中のところにモニターがあってそこに岸田さんが写っているという。なんか、ペラッペラの総理大臣という感じに見えてしまうのですが、それは見え方だけでなく、この間の安倍派にあまりにも気を遣いすぎているのではないかと思われるような振る舞いというのでしょうか。それと印象が重なるものですから、大変強く記憶に残っているのだと思います。
岸田内閣って今、ある意味中心を失っている、中心は安倍さんだったので、極論すると。その安倍さんが亡くなったことによって、内実として岸田内閣になった訳ですよね。安倍派の状況は特にこれから先、統一教会の名称変更問題、これがもしもつまびらかになってきたとき、下村博文さんがどうなるのか。それから萩生田さん…。萩生田さんと下村さんがドボンすると、政治家としての重要な信頼を失うことにもしもなったときに、安倍派ってどうなっちゃうんですかね。
既に、安倍さんがいないことによって「烏合の衆」とは言いませんが、中心を失っているわけですよね。これは前々からずっと思っていたことですが、岸田さんが中心になって自民党の中の再編をしていき、その成果次第では自民党がかなり性格の違う政党になる可能性…無いかな。あったのかもしれませんが、まあそういうすぐにでも空中分解しそうな状態じゃないですか。そういうときに、かつて政権を担ったことのある人たちのグループが、当時と同じことを言ったのではダメですが、一定の政策的な発展を遂げた上で、緊急の政策と中長期的政策を分け、なるほど今それをやってくれればありがたいと大勢の有権者・国民を引きつけることが出来れば、もしかしたら政権を再び奪取することができるかもしれない。
とっても大変なこととは思いますが、そうでなくても岸田内閣に対してより強い力で選ぶべき選択肢を突きつけることが出来るようになるかもしれない、ということだと思います。
(『uttiiジャーナル』2022年8月28日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)
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