ちなみに、この時イギリスでは「イラク渡航奨励令」が出されています。
これは、「テロリストと交渉せず」ということを実直に行い、テロリストが支配しているという現実に対して、それに反して「観光旅行に行くべきである」というようなことを言い始めたのでした。
さて日本は当然にそこまでの覚悟もありませんので、「渡航自粛勧告」になっていますが、これに対して、なぜか逆に政府に逆らってボランティアや、イギリスではないが観光旅行に行くという暴挙に出る人が出てくるのです。
そのなかで、2004年4月7日イラクで日本人3名(高遠菜穂子、郡山総一郎、今井紀明)が武装勢力によって誘拐されるという事件が発生します。
翌日、カタールのインターネットテレビ局「アルジャジーラ」が犯行グループから送られてきた映像を放送します。
犯行グループは、イラクのサマーワに駐留している自衛隊の撤退を要求する声明を発表したのです。
犯行グループからの要求に対し、日本政府は自衛隊を撤退させる考えのないことを表明します。
この一連の動きに関して、誘拐された人々は、勝手に行ったにもかかわらず、日本のマスコミでは「自衛隊派遣の犠牲になった」というような感覚になってくるのです。
小泉純一郎首相は、自衛隊を撤退する意思がないことを明らかにするとともに、人質の救出に日本政府として全力をあげるよう指示します。
また、人質となった日本人3人の家族が東京でアルジャジーラの取材に応えて人質解放を訴え、その映像が中東全域に放送されました。同日逢沢一郎外務副大臣や、塩川実喜夫警察庁警備局国際テロリズム対策課長らがアンマンに入ることになりました。
さて、安倍元首相、確か当時幹事長に呼ばれてあったのは、この時だったのです。(次回へ続く)
(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2022年9月5日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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