ウクライナに侵攻したロシアや、国民に規制を強いる中国など、世界中の国で「独裁化」が進んでいます。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、 そんな独裁主義国と、民主主義の我が国について「2つの観点」から語っています。
黒化する世界~民主主義は生き残れるのか?
2022年9月9日、北野の新刊『黒化する世界~民主主義は生き残れるのか?』が発売になりました。今日はこの本を書いた目的について、お話しします。
黒化とは?
まず、用語の解説が必要ですね。「黒化」(こくか)とは、なんでしょうか?
昔、「赤化」(せきか)という言葉がありました。赤=共産主義のこと。赤化といったら、どこかの国が共産化することをいいました。幸い赤化現象は、1991年12月のソ連崩壊で終わっています。
では「黒化」とは、なんでしょうか?黒=独裁国家のことです。黒化とは、独裁化のことです。そして、ここ数年、世界で「黒化現象」が進んでいます。たとえば2020年2021年だけでも、
- 香港
- ロシア(元から黒かったが、真っ黒になった)
- ベラルーシ(上に同じ)
- ミャンマー
- アフガニスタン
など。そして、ちょっと世界地図を見てほしいのです。ユーラシア大陸を見ると、世界最大の面積を誇るロシアと人口世界一の中国が、【黒】です。ロシアと中国の隣には、これも真っ黒の北朝鮮がある。ロシアの西隣には、欧州最後の独裁者ルカシェンコのベラルーシ。中国の西には、最近黒化したアフガニスタン、ミャンマーがある。いわゆる旧ソ連諸国も、ほとんどは黒に近い灰色です。こう見ると、ユーラシアは、中国、ロシアを中心に【黒化されている】ことがわかるでしょう。
下の記事中の地図をみてください。いわゆる独裁国家は「赤色」と「オレンジ」で示されています。
● 世界人口の71%が「独裁に分類される国に住む」という衝撃
こう見ると、「白化勢力」(民主主義勢力)は、完全に劣勢です。