いま世界中が「独裁化」へ。我が民主主義国ニッポンは生き残れるのか?

Big selfish man with a crown destroys the city on his way. Big Ego Concept
 

勝敗論で見るロシア

ここまでは「善悪論」で話してきました。次に「勝敗論」で考えてみましょう。

ロシアは、確かに大国です。アメリカと一、二を争う核大国。原油生産量は、世界3位。天然ガス生産量は、世界2位。国土の広さは、世界一。小麦輸出量は世界一。ロシアは、核大国、エネルギー大国、食糧大国である。実際、リアリストの神ミアシャイマーも、「世界に大国は三つしかない。アメリカ、中国、ロシアだ」といっています。

しかし、勝敗論でみると、日本はロシアにつくべきではない。なぜでしょうか?ロシアが、あまりにも貧しすぎるからです。2021年時点でロシアのGDPは、1兆7,755億ドルです。世界11位。アメリカのGDPは、22兆9,975億ドル。ロシアの経済規模は、なんとアメリカの13分の1です。中国のGDPは、17兆4,580億ドル。ロシアの経済規模は、中国の約10分の1です。日本のGDPは、4兆9,374億ドル。ロシアの経済規模は、日本の約2.8分の1です。人口1億4,600万人のロシアの経済規模は、人口5,500万人の韓国より小さい。だから、ロシアは、勝てません。

私は、「プーチンは、現代のヒトラーではなく、ムッソリーニだ!」といっています。現代のロシアは、経済規模が小さいところも、当時のイタリアに似ています。日本は、「勝てないロシア」につくべきではありません。

善悪論でみる中国

次に中国について考えてみましょう。親中派とは、どんな人なのでしょうか?おそらく「チャイナマネーが欲しい人」なのでしょう。たとえばユニクロの柳井さんは、「ウイグル問題は、人権問題ではなく、政治問題」という旨の発言をして、世界からバッシングされました。

中国とビジネスしている人たちが、「親中派」なのはわかります。しかし、2018年秋から「米中覇権戦争」が起こっている。日本は、どちらかにつかなければなりません。仮に米中覇権戦争で中国が勝てばどうなるでしょう?中国が覇権国家になります。覇権国の体制は、「スタンダード」になります。かつて共産主義陣営にいた国々の体制は、覇権国ソ連にそっくりでした。一党独裁、言論の自由、信教の自由、結社の自由なし。だから米中覇権戦争で中国が勝ち、覇権国になれば、日本は中国の属国になり、体制は中国のコピーになります。

どんな体制になるのでしょうか?まず、皇室は、廃止されるでしょう。共産主義は、「王制打倒」を掲げているからです。信教の自由はなくなるでしょう。共産主義は、「無神論ベース」なのです。神社、お寺、キリスト教会などは、破壊されるかもしれません。中国共産党や習近平を批判する人は、逮捕されるでしょう。香港がそうなったように。

学校では、中国語が必須になり、大学受験でも中国語の試験が行われるようになるでしょう。「出世するなら中国語を学べ!」となります。さらに、反中国的な人は、強制収容所に入れられ、女性は不妊手術を強制されるでしょう。「まさか!」と思うでしょうか?実際彼らは、ウイグル人絶滅政策をしています。知らない人は、こちらを参考にしてください。

ウイグル女性に避妊器具や不妊手術を強制──中国政府の「断種」ジェノサイド

中国政府がウイグル人絶滅政策をするのなら、「少数民族」日本人絶滅政策を行わない理由は、あるでしょうか?

というわけで、「中国がアメリカに勝って世界の覇権をとる」というのは、日本にとっても悪夢です。お金も大事ですが、子供達の未来はもっと大事ですね。「中国との金儲けをやめろ」とはいいませんが、ポジション的には、常に「自由民主主義の側」にいることが大事です。

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