いま世界中が「独裁化」へ。我が民主主義国ニッポンは生き残れるのか?

Big selfish man with a crown destroys the city on his way. Big Ego Concept
 

勝敗論から見た中国

「お金以外の理由」で中国を支持する人もいます。それは、「中国が勝つ」と思っている人たちです。世界3大投資家のジム・ロジャーズは、「金儲け」もそうですが、「中国が確実に覇権国家になる」と確信しているようで
す。こういう人たちは、

  • 19世紀はイギリスの時代
  • 20世紀はアメリカの時代
  • 21世紀は中国の時代

などと、物事を単純化して考えています。

しかし、世界には、「覇権国家になれそうでなれなかった国」もあります。たとえばドイツ帝国です。19世紀から20世紀初めにかけて、ドイツ帝国の経済力、軍事力、科学技術力は、イギリスを圧倒していました。当時は、誰もが「次の覇権国家はドイツ帝国だ」と考えていた。ところが、ドイツは1次大戦、2次大戦に負けて「暗黒の20世紀」になったのです。ジム・ロジャーズさんは、「ドイツ帝国の歴史」を知らないのでしょう。

そして、中国もドイツ帝国と同じ道を進んでいます。私は2005年、はじめ他の本『ボロボロになった覇権国家アメリカ』の中で、中国の未来について予想しました。

  • 2008~2010年に危機が起こるが、中国はこれを短期間で克服し、再び成長をはじめる
  • しかし、高度成長は2020年まで

そして、実際2008年に「100年に1度の大不況」が起こりました。実際中国は、この危機を世界一速く克服しました。実際、中国の成長率はその後鈍化しつづけ、2020年以降はまったく高度成長できなくなりました。

昨年起こった「恒大ショック」は、90年代初め日本で起こった「バブル崩壊」に匹敵します。中国はこれから「暗黒の20年」に突入していくのです。だから、中国は、アメリカに勝てません。アメリカも、長期的に衰退していきますが、それでも中国は勝てないのです。そして、インドの時代がやってきます。

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