「早ければ2027年」台湾有事で国民脅す“ヒゲの隊長”佐藤正久議員の半狂乱

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ここ数年の間、いつ勃発しても不思議ではないとの報道が多く見られる台湾有事。日米の専門家や政治家の中にも「もはや避けられない事実」のように論ずる向きが少なくありませんが、果たしてそれは正しい見立てなのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、「ヒゲの隊長」として知られた自民党参院議員の佐藤正久氏の著作を取り上げ、台湾有事をはじめとした軍事論のあまりのお粗末さを強く批判。さらに「佐藤氏のような人間が自民党の外交・防衛政策の中心にいること自体が我が国の安全保障上の脅威」とまで言い切っています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年9月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

佐藤正久『知らないと後悔する、日本が侵攻される日』のお粗末な軍事論/「日本侵攻は2027年か」と煽る無責任

佐藤正久は言わずと知れた元“ヒゲの隊長”で、自民党から参議院に出て早3期目。今は自民党外交部会長、自民党国防議員連盟事務局長として同党の外交・防衛政策を左右するキーパーソンである。岸田文雄政権は今年末までに「安保3文書」すなわち国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の改定を行い、そこでは「台湾有事切迫」という情勢認識と、それに対して15年安保法制強行採決という安倍政治の遺産を大前提として、米日が緊密に協力して中国との戦争も辞さずに対処するという方向での大軍拡路線が打ち出されることになりそうで、それには佐藤の果たす役割も小さくないと考えられる。

そこで早速、佐藤が8月に上梓した『知らないと後悔する、日本が侵攻される日』(幻冬舎新書)を読んでみたが、これがとんでもなく粗雑な、ウクライナ戦争でのロシア軍の蛮行への人々の恐怖感をさんざん煽って、それよりもさらに「一か国ではなく、ロシア、北朝鮮、中国の3カ国に狙われている日本が抱える危険性は、開戦前のウクライナよりも高い」(P.20)と脅しまくる、チンピラ右翼のアジビラのような代物で、呆れ返ってしまった。

自衛隊OBの軍事論がこんなんで自衛隊は大丈夫なのか?自民党外交部会長の戦略論がこんなんで自民党は大丈夫なのか?本誌がNo.1164(7月18日号)で肯定的に紹介した文谷数重の『軍事研究』7月号の論文「間違いだらけの台湾有事論」をもう一度引き合いに出しながら検討する。

【関連】現実的にはあり得ない。日米の「台湾有事論」が根本的に誤っている理由

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