さて、一歩離れて、これらの泥沼論争についての報道はどうでしょう。
アメリカのマスコミ報道は完全に二つに分かれます。
保守系、共和党系のFOXニュースは、バイデン大統領の国境政策と聖域都市を強く感情的に非難しています。
CNNをはじめとする大多数の進歩的、民主党系の大手マスコミはあまり積極的に報道しません。報道しても事務的な形です。
共和党の支持者たちは、そういった大手マスコミに対して、完全に信頼を失っています。
「どうせ大手マスコミは少しでもトランプが正しかったというような報道はしたくないのだ。」と、まったく信頼していないのです。
日本のマスコミはどうでしょう。
シンプルに「報道しない」という姿勢に見えます。
もし本当に米国不法移民問題を細かく報道すれば、日本人の感覚から言えば、国境管理を厳格にして不法移民は厳しく取り締まるべきだ、という結論に必ずなります。
それはトランプ前大統領の主張を是認する事にもなりますので、それが嫌なのでしょうか?
こういった不法移民の泥沼の争いはなるべく報道しない姿勢のようです。
それで「アメリカ人の半分(共和党支持者)はいまだにトランプに騙されている」といった論調をこれからも続けるのでしょう。
これで日本人がアメリカ人の考えを理解できるとは思いません。
客観的な報道がなぜできないのか。怒りを通り越して、不可思議さと諦念の感情がわいてきます。
P.S. 以下、私が書いた不法移民に対する論争の過去のまぐまぐ記事です。
● 日本の新聞が報じぬバイデン大統領「最初の試練」アメリカ国境崩壊の危機が近づいている
● テキサス州知事ブチ切れ。日本メディアが伝えぬ米国の政策論争とは
(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』9月18日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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