韓国を包む「医学部・薬学部以外、全員負け組」という社会的空気

Seoul, South Korea - September 15 2022: Seoul National University sign at the entrance
 

ソウル大学機械工学部2年生のキム・ヒョンミン(20・仮名)君は、「1年生の時一緒に学校に通った友達の中でも今年、医学部や薬学部に新入生として進学した友達がかなりいる」、「コロナ19で先輩と後輩間の交流が難しくなったため、先輩に進路相談をしたくても非対面で直接会えなくて、学校内でのコミュニティなどに依存するしかないのだけれどコミュニティには『工学部を出てると、大学院に行かなければならないなど必要な努力に比べて見通しがそれほど明るくない』といった匿名のアドバイスが多く、半浪人をみんな勧めているような雰囲気」と話した。

理学部学生らが医学部・薬学部を好む現象は前からあるが、これによってソウル大学という「看板(=ブランド)」の代わりに地方の医学部でも行こうとする学生が増えたのと同時に今年14年ぶりに初めて全国の薬学大学(薬学部)が、学部の新入生を選抜したことも退学学生が多く出た原因に挙げられる。

韓国の薬学部は、過去14年間、薬学部で直接学生を選抜することをせず、一旦どこかの大学の何学部でも入っている人(すなわち大学生になっていることだけが条件)が、2年生になるときのタイミングでピートという試験を受けて合格すれば志望の薬学部に行けるシステムをとっていた。今年14年ぶりにこのシステムが廃止されて薬学部でも他の学部のように直接最初から学生を選抜することにした。

キム・ウォンジュン江南(カンナム)大成(デソン)学院の学歴開発研究室長は「ソウル大学が最もいい大学とされるが、実際にソウル大学の学生でありながらで浪人や半浪人をしている生徒と面談してみると学校より学科にもっと焦点を置いて挑戦しようとするケースが多い」と語った。

ソウル大学看護学科に在学中のチョ・ヘミ(24・仮名)さんも「看護大学の場合、医学や薬学系と学ぶ内容が似ており、もう少し勉強すれば医学部に進学できるかもしれないと考えている友達がかなり多い」、「専門職を好む社会的空気ができており、毎年半浪人をした後、地方医学部に進学する学生が少しずついる」と話した。

 

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