細田議長は統一教会との関係をどう考えているのだろうか。問題ないと思うのか、反省しているのか。さっぱりわからない。
信仰を強制され、人権侵害を受けてきた小川さんら信者2世の訴えに真摯に耳を傾け、議長らしく対応すべきではないのだろうか。メディアに報道されて仕方なく教会との接点を追認する政治家の姿は見苦しい。調査委員会をつくって統一教会の実態を追及、把握し、法整備に結びつけるくらいのことをしなければ、立法府に対する国民の信頼は取り戻せないだろう。
もちろん、政府の責任も重大だ。宗教法人法に基づき、宗教法人格を取り消す解散命令請求について、岸田首相は「信教の自由を保障する観点から、判例も踏まえて慎重に判断する必要がある」(6日参院本会議)と述べている。解散といっても、宗教法人としての税制優遇が受けられなくなるだけで、信教の自由を侵すわけではないのに、きわめて消極的なのだ。
岸田首相が、この問題に対し、もっと毅然とした態度をとっていたら、内閣支持率が下がり続ける状況にはならなかっただろう。
今からでも遅くはない。野党に任さず、内閣として、フランスの反セクト法のような法律を国会に提出したらどうか。恐怖心を煽って法外な献金を要求したり、通常の流通経路を逸脱した高額な商品を売りつけたりする組織的な行為をカルトと認定し、処罰対象にする法律だ。宗教団体には限らず、あらゆる団体、組織に適用される。信教の自由には立ち入らないのが原則だ。
小川さゆりさんは、統一教会の圧力にもめげず、目を潤ませながら会見を続けた。それを支えていたのは、彼女一人のためだけでなく、同じように人権侵害を受けている多くの信者2世を代表して訴えているという思いだろう。
政権政党が統一教会にからめとられ、小川さんら信者2世に目を向けようとしないこの国の現状を世界は、どう捉えるだろうか。宗教に名を借りた人権侵害を許容する国だったのかと思われないためにも、岸田政権と自民党は、決然とした行動をするべきである。
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