2世信者の涙も響かず。統一教会問題にダンマリ決め込む細田博之議長の冷血

 

細田氏には、2016年の参院選における教会票の割り振りに関与し、清和会所属の宮島喜文候補を当選させた疑惑も浮上している。これについては、安倍元首相が差配していたとも指摘されているが、要するに安倍、細田両氏が二人三脚で動いたということだろう。

教会とズブズブの関係が疑われる議長のもとで、教会の問題を審議する。ブラックジョークのような話だが、本当のことである。

当然、細田議長は疑惑について説明責任を果たし、信頼を回復したうえでなければ、議長の重責など担えないはずだ。ところがこの国にとって不幸なことに、“三権の長”の1人でありながら、細田議長には真摯に説明しようとする姿勢が見られないのである。

国会でダンマリを決め込み、メディアに追及されても答えず、野党から不信任案提出の動きがあってはじめて、A4判の紙切れ1枚を出してきたのだが、教会関連のイベントに4回出席したことや、選挙支援を受けたことなどを列記しているだけで、とても説明といえるものではない。なぜそうしたのかなど、経緯については全く触れられていなかった。

安倍元首相が亡くなった今、清和会と統一教会がどのような関係を持ってきたのかを誰よりも知っているのが細田議長のはずである。洗いざらい明らかにし、膿を出し切ることこそ、自民党を救う道であろう。

衆院議院運営委員会で説明をすべきだという野党の要求に対し、細田議長が山口俊一議運委員長とはかって設けた説明の場は、国会ではなく、広大な敷地に建つ議長公邸だった。そこに、議運の委員長と与野党の筆頭理事が、うやうやしく訪れたのはいいが、しょせんは密室の出来事だ。

今度は2枚に増えた文書を受け取り、とくに厳しく問いただすこともなく、山口委員長らはすごすご国会に戻ってきた。文書の内容そのままを記者に伝える姿は、無意味な儀式の使者というほかない。

1枚から2枚に増えた文書で新たにわかったのは、教団関連団体の会合への出席が4回追加され、前のと合わせて8回になることなどだ。数が増えただけで、真相究明には全く役立たない。

文春オンラインに、文鮮明教祖の“お言葉集”のことが書かれている。615巻にのぼる膨大な量で、韓国の国内向けのためか、日本には伝わってこない発言がいっぱいあるという。

岸(信介)首相は霊界に行っていますが(亡くなっているの意)、その次に福田(赳夫)首相です。福田は、私が首相にさせたのです。中曽根(康弘)も私が首相にしたんです。(98年6月10日/294巻)

中曽根の時は(略)、130人の国会議員を当選させ、20ある国会の委員会のうち、13の委員会の長は、私が立てた人になりました。(04年9月16日/468巻)

安倍晋太郎は私と契約書まで書いたのです。これを発表すると、世の中がひっくり返ります。その時の約束はというと、自分が首相になれば、80人から120人の国会議員を連れて漢南洞(文氏の自宅があったソウルの地名)を訪問するということでした。(95年10月22日/273巻)

信者相手とはいえ、まさに、言いたい放題である。大ボラには違いないが、統一教会が、日本の政治を裏から動かすために、勝共連合の活動や選挙支援などを通じて自民党を侵食していったことは間違いないだろう。

その後、霊感商法などが社会問題となり、表面上、活動は下火になったかに見えたが、第2次安倍政権が誕生してしばらくすると、再び活発化した。

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