お金のプロが注意喚起。お金持ちになれない人が陥りがちな「お得の罠」

shutterstock_280745945
 

「半額バーゲン」などと聞くとついつい財布の紐が緩んでしまうとい方、その行動パターンを見直さない限りいつまでたってもお金持ちにはなれないようです。今回、売り手サイドが仕掛ける「お金の罠」を取り上げているのは、株式会社Money&You代表取締役で資産運用のプロ・頼藤太希さん。頼藤さんは消費者心理の綾をつくこの罠について詳しく解説するとともに、そこから逃れるため心がけるべき3つのポイントを紹介しています。

お金持ちになれない人が陥る、巧妙な「お得の罠」

人は誰しも、少しでも得したい・損したくない、お金持ちになりたいと考えています。ですから、日々の買い物でも、なるべくお金を節約してお金を貯めるようにしたい、はずです。

しかし、そのことはお店の側もよくわかっています。お店は少しでもお金を使ってほしいと考えていますから、あの手この手でお金を使ってもらおうとしています。その中には、節約しているつもり、お得に買い物しているつもりなのに損をしてしまう「お得の罠」が存在します。

人がどのように誤った認知やバイアスに惑わされ、判断を誤ってしまうのか、行動経済学で紐解いてみましょう。

■アンカリング効果:半額セールの罠

たとえば、私たちは商品を買うとき「お得だ」と思って買うわけですが、そう思っているのはアンカリング効果によるものかもしれません。割引前の価格を示すことで「これだけ価値があるものが、ここまで安くなっている=お得」と思い込んでしまうのです。

年末年始や夏冬のバーゲンなどにある王道の罠が「半額セール」です。「10万円の財布が半額セールで5万円!」などとなっていれば、これは安いと思うはずです。その5万円になった財布と、定価5万円の財布なら、5万円になった財布を買う人のほうが多いでしょう。

しかし、もしこの財布がはじめから5万円で売られていたとしたら、そもそもこの財布を買ったでしょうか。よほどの理由がない限りは、買わないのではないかと思います。つまり、本当に必要かではなく、「半額になっている!」というお得感だけで買ってしまう罠なのです。

■選好の逆転:3品で10%オフの罠

目的が本末転倒となるこの行動は「選好の逆転」と呼ばれます。

「3品買うと10%オフ」「2品買うと2品目が30%オフ」など数字はさまざまですが、こうした割引がよくあります。このような表示があると、1品だけ買うのがなんだか割高のように感じられます。しかし、これも罠です。本来、1品だけ買えばいいはずの商品を2品、3品と買うのは無駄ですね。お店側からすれば、多少割引してでも一気に2品、3品と品物が売れるのですから大助かりです。本当に必要なもの、使うものであれば、買っても問題はないでしょう。

■選好の逆転:送料無料・駐車料金無料の罠

ネットショッピングで、「5,000円以上買うと送料無料」となっていることがあります。送料無料にしたいからと、なんとか5,000円に達するように商品を追加した経験のある方もいるのではないでしょうか。

しかし、そこまでして商品を追加するより、送料を払ったほうが出ていくお金は少なくなるものです。同様の罠に駐車料金もあります。数百円をケチり数千円損する結果になりかねません。

print
いま読まれてます

  • お金のプロが注意喚起。お金持ちになれない人が陥りがちな「お得の罠」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け