お金のプロが注意喚起。お金持ちになれない人が陥りがちな「お得の罠」

 

■損失回避:食品のまとめ買いの罠

損失回避とは、人間は損失を避けるような意思決定を行う傾向が強い特性を表しています。

肉や魚などを大容量のパックで買うと、小分けにしたパックよりも多少割安になります。

しかし割安だからといって買っても、食べきれずにダメにしたり、たくさんあるからと普段作らないような料理で大量に消費したりすれば、逆に損することになってしまいます。

結果的にお金を使いすぎてしまう上、体重も増やし不健康のリスクを増すことになります。

■ザイオンス効果:度々目や耳にする商品・サービスの罠

ザイオンス効果は、接触回数が多いほど好意を抱きやすくなるという効果があります。テレビCMや動画広告など商品・サービスを度々目や耳にするうちに、その商品・サービスが欲しくなるのはこの効果が働いているからなのです。

人間は目や耳に触れる回数が多いものを選んでしまう傾向にあります。選挙で名前を連呼するのも、この効果を狙ったものです。

■ウィンザー効果・バンドワゴン効果:口コミの罠、人気の罠

ウィンザー効果は、本人が発信する情報より第三者の意見を信じやすくなるという人間の特性を表しています。バンドワゴン効果は、「大人気と言われると商品がよく見えてしまい、自分も買ってしまう」効果です。

通販サイトのレビューや口コミがよければ欲しくなるのは、ウィンザー効果が働いているからです。行列ができている、人だかりができている、「いま一番売れています」「10秒に1つ売れています」と宣伝されている商品が気になるなどは、みんなが買っているから欲しい、流行に遅れたくないという意識からバンドワゴン効果が生まれ、買ってしまうのです。

■極端の回避・オトリ効果:「松竹梅」「並・上・特上」の罠

極端の回避・オトリ効果は、「2つの選択肢で迷っている人に見劣りする第3の選択肢を入れると意思決定が変化してしまう」効果です。

これをうまく使っているのが「松竹梅」や「並・上・特上」。3ランクの商品から1つを選ばせると「竹」や「上」の商品がよく選ばれます。人は、極端な選択を嫌う傾向があるので、高すぎず安すぎず、ちょうどいいものが選ばれがち、というわけです。

安いものを買おうと思っていても、自然と出費が増えてしまうのです。

■タイムプレッシャー:時間制限のある「通販サイト・番組」「店頭セール」の罠

タイムプレッシャーとは、時間制限があると冷静な判断ができなくなる効果です。既に紹介した「選好の逆転」の送料無料、「損失回避」の値下げといったお得を逃したくない人間の特性を利用して、お店側も買わせようするのです。

タイムプレッシャーは意外と身近で頻繁に使われています。最近はYouTube広告でも多いですね。

「この(広告)動画を見ている人限定で商品をたったの980円で購入できます。すぐ売り切れになる可能性があるので急いでクリックしてご注文ください」という具合です。

商品・サービスを宣伝する広告動画は一切見ずに速攻でスキップするのが、罠に引っかからないためには必要なルールです。

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