自治体に“脅し”も。なぜ政府はマイナンバーカード普及をここまで急ぐのか

 

国民の財産把握にマイナンバーカードは非常に便利!

1万円札の肖像画は福沢諭吉から渋沢栄一に、5,000円札は樋口一葉から津田梅子に、1,000円札は野口英世から北里柴三郎に変わります。「今さら、新規にお札を出すのかよ」という突っ込みが聞こえるだけでなく、政府の恐ろしい企みを懸念する人までいるのです。

それというのも、日本は2021年末時点において、国の借金が1,220兆円まで膨らんでいます(GDPの2.5倍)。もはや返す方法がないほどの借金額です。このまま膨らみ続けると、円の信用が毀損して、通貨暴落でハイパーインフレを迎えるのではないか──という心配も尽きないところなのです。

そこで、2024年度の新紙幣発行時に、「預金封鎖」で預金を一定額しか下ろせなくし、旧札と新札の交換レートを下げ、旧1万円札を新7,000円相当札に交換する──といった強制的な「財産課税」を行うのではないか──という噂まであるのです。これなら国の借金を3割減らせます。

あるいは、1946年に行った「預金封鎖」と同様に預金以外の財産(株式などの有価証券や不動産)に一気に課税する方法もあるでしょう。

国の借金をチャラにする奥の手!

敗戦直後の「資産課税」では預金の他、株式、不動産、債券、ゴールドにいたるまで資産額に応じて25~90%もの高率で課税し、多くの富裕層を没落させました。現在のお金に換算すると、最低で約5,000万円の資産があれば、4分の1(25%)が政府にはく奪される計算です(当時の物価を500倍で換算)。

税率は、財産額が増えるにつれて上がり、5,500万円で30%、6,000万円で35%、6,500万円で40%、7,500万円で45%、8,500万円で50%、1億円で55%と小刻みに上がっていき、最高が75億円超で90%という課税率でした。

こうした財産課税を逃れるためには、少ないグラム数でのゴールドの分散保有、外国通貨のタンス預金、海外の現地銀行での外貨預金ぐらいしかありません。国内の財産は概ねが、政府に捕捉されているからです。しかし、当時の政府は、財産課税で膨張した戦時国債の帳消しを狙ったものの(GDPの約2倍の借金があった)、結局はハイパーインフレで借金をチャラにしたのでした。

要するに、マイナンバーカードの普及を急ぐ政府の思惑には、行政サービスの向上などではなく、政府が財政破綻前に国民の財産を奪うための「預金封鎖・資産課税」の下準備ではないか──という疑惑が尽きないのです。財産のない人にとっては、金持ちに対して「ざまあみろ」という吐露ですみますが、財産のある人にとっては、非常に厳しい政策です。

はたしてどうなるのでしょうか。

国民への苛烈な財産課税を行えば、国内市場にとんでもない混乱を招くことだけは間違いないでしょう。政府の放漫財政のツケを、国民の財産奪取でケリをつける──などといったことが許されてはならないのです。プライバシー侵害の情報管理一元化のマイナンバーカードなどは、即刻廃止すべきなのです。

マイナンバーの共通番号さえあれば、IT化への対応も十分のはずです。信用できない政府に対して、国民の情報を丸抱えさせる愚は絶対避けるべきでしょう。必ず情報漏洩も起こるはずです。今こそ、マイナンバーカード廃止を訴えるべき時なのです。

それでは、今回はこのへんで。

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投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわかるピケティ超図解――21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書多数。

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