労働者を迎える国から「出稼ぎに行く国」へ。円安で剥がれた日本の“化けの皮”

 

つまり、「日本という国はね、結構、いいところだよ。ただね~、そこで生活するってなると話は別なんだよなぁ。結構、みんな冷たいんだよね~。しかも、給料安いし、仕事ばっかだし。子育てするのも不安なことが多いからなぁ~」と、極めて厳しく評価されていたのです。

日本人は、外国人が「お客様」のときには、日本人独特の気づかいでもてなし親切にします。ところが、その外国人が「労働者」となった途端、とんでもなく冷たくなる。日本は「生活者」としての外国人労働者を受け入れてきませんでした。

しかも、人材が足りない現場は、大抵の場合、日本人が嫌がるほど過酷な現場です。「だったら外国人を!」と、いや「だったらアジアの外国人を!」と外国人労働者政策を進めてきた。ずーっとずーっと「低賃金で働く外国人」を求め、経済を回してきたのです。

要するに、円安はただ単に“パンドラの箱“をあけただけ。これまで箱におしこまれていたさまざまな問題が、円安でいっきに噴き出しただけにすぎません。低賃金で暮らしにくい国ニッポンは、円安で生活すらできなくなってしまったのです。

事故や病気で亡くなる技能実習生・研修生のうち全体の3割が「過労死」する国を、誰がわざわざ選んでくれるでしょうか。

2021年になっても、全国の実習実施者に対する監督指導の結果、約70%で労働基準法令違反が認められている。この現実を日本は、日本人はもっと深刻にとらえた方がいいと思います。円安のせいにするな!と。

日本を愛してやまなかったドナルド・キーンさんは、「私が懸念しているのは、日本人は私がいかに日本を愛しているかを語ったときしか、耳を傾けてくれないことだ」と嘆いていました。

みなさまは、この問題についてどのようにお考えでしょうか?是非ともご意見、お聞かせください。

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