さらに、この会社のシステムは、いまファストファッション業界が抱えている、大きな問題を解決することもできます。大量在庫の大量廃棄問題です。
安く売るためには、多く作らなければなりません。大量発注で、単価を下げるのです。流行ものであるファッションでは、当然のように在庫が増え、メーカーは泣く泣く廃棄しているのです。
SDGs社会では、これを放置することはできません。
そこで、この会社は考えました。生産地に拠点を置くことで、お客さまが欲しいと思うものを、欲しい時に、欲しいだけ、生産することができるのではないかと。
この多品種少量生産なら、余剰在庫が削減できるので、無駄がなくなります。こうした無駄を取り除くことができたので、激安が実現したのです。
「SHEIN」では、毎日3,000~5,000の新アイテムが投入されており、驚くほどの低価格です。
新着情報は、インフルエンサーによって、アプリ内の動画で紹介されています。ポイントやクーポンの付与も多く、リピーターになりやすい仕組みとなっています。
ファッション業界は、今後、こうした販売方法が主流となるのではないでしょうか。
直接商品を見なくとも、激安であるため、購入を躊躇しなくなります。気に入らなければ、また次の商品を。
社会問題を解決しながらも、確実な儲けに繋がる、優れたビジネスモデルだと言えます。
ただし、日本経済にとってはダメージとなります。日本の企業にも頑張って欲しいところです。
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