岸田の次は自分。総理の椅子狙う茂木幹事長の隠せぬパワハラ体質

 

メディアは茂木氏が麻生氏と立ち話をしただけでも、権力闘争がらみの相談と結びつける。

現代ビジネスによると、11月8日の衆議院本会議直前に、議場近くのエレベーターの前で麻生氏と茂木氏が数分間、記者を遠ざけて話し込んだ。その夜も、茂木氏は麻生氏の側近とされる参院議員の政治資金パーティに出席し、麻生氏と長時間にわたって話をした。最近、麻生氏は「岸田が辞めることになれば次は茂木だ」と言っているとか。

下には厳しく、上しか見ない茂木氏が、かねてから麻生氏と親しい関係を築いてきたのはよく知られている。それだけに、2人が仲良くしていても、ふつうならネタにはなるまいが、岸田首相の評判がガタ落ちの昨今、茂木氏がいざという時に備えて、手を打っているように見えるのも仕方がない。

ただし、茂木氏が宰相の器かどうかというと、これまでのところ否定的な評価が多い。風采があがらないとか外見的なことはさておくとしても、人望がない、パワハラがひどい、知識をふりかざして人をバカにする…といったイメージがこの人にはついてまわる。

直近ではこんなことがあった。党本部における11月8日の記者会見。山際大志郎氏が統一教会との癒着問題で経済再生担当大臣を辞任し、その直後に、党の新型コロナウイルス等感染症対策本部長に就いたことに関し、記者が「大臣辞任から4日後の人事となりましたが、いきさつや狙いを教えてください」と質問すると、茂木幹事長は「は?」と顔をあげ、記者をにらみつけた。そして、次のように冷たく言い放った。

「人事については常に適材適所で行われていると考えておりますが、これは政務調査会の人事でありますので、そちらにお聞きください」

問題があって事実上更迭された山際氏がなぜ、間を置かずに党の重要なポストに就くのか。その人事の不思議さについて、記者が質すのは当然のことである。

たとえ萩生田政調会長が決めたことであっても、党において人事の実権を握っているのは間違いなく幹事長だ。それを、「は?」と、いかにも「なにを聞くんだお前は」と言わんばかりに威嚇する。結局、肝心なところでボロを出し、その狭量かつ攻撃的な一面を天下にさらしてしまうのである。

ともあれ、メディアが茂木氏を次期総理候補として持ち上げざるを得ないほど、この国の政界は人材が枯渇しているということかもしれない。

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image by: 茂木 敏充 - Home | Facebook

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