カネが絡まぬハズはない。恐ろしい統一教会「養子縁組問題」の犯罪度

 

3.当初の政府の救済新法案では誰も救えない。マインドコントロールの意味を理解したうえでの法案に!

政府から出された救済新法には絶句しました。「誰も救えない救済法案であってはならない!」と厳しい口調でテレビでも話しましたが、被害の状況を全く理解しないで、会議室の机の上だけでつくった法案に思えたからです。

この法案を最初に見た時、「踊る大捜査線」の青島刑事の有名な台詞を思い出して、一人叫んでいました。

「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」

被害者の事情をしっかり見聞きしてほしいと思います。

いずれにしても。このままの法案では、救える人がほとんどいません。すでにヤフーコメントもしましたが、消費者契約法に「霊感」における取り消し権がありましたが、ほぼ運用されなかった法律でした。それと同じ状況になると思います。

先日の「首相、自主的な寄付『規制困難』…本人が『困惑していない』主張なら家族の請求も困難」(読売新聞)のニュースで、岸田首相は「自主的な寄付を法規制の対象とすることは憲法上、難しいとの認識をした」という発言をしたそうです。

河野大臣からも、困惑せずに寄付する行為について「その権利に立ち入るのは難しい。家族といえども阻害することはできない」とも。

まだまだマインドコントロールの実態を十分に理解されていないことを感じます。

教団は「自主的」を装っているのです。ここが他の宗教団体の寄付とは大きく違っている点です。それを一緒くたにした発言に思えます。

信者らは、すでにサタン世界の中にいる罪人であると教えられ、すでに困惑させられて入信させられているのです。信者らが行う寄付や献金はもはや「自主的なものではない」のです。表面上、自主的な献金に思わせている行為が、旧統一教会が行わせている献金における重要な点になります。

そこが抜け落ちたままの救済法案では、多くの人は救われず、教団のお金の集めの活動は今後も続くことになります。

現法案では規制事項も多く、これまで法の目をかいくぐってきた教団にとって、なんとも脱法行為をしてお金集めをしやすい内容になっています。もっとマインドコントロールについての理解を高めて、法の網をやすやすと抜けられない法案にしなければなりません。

この記事の著者・多田文明さんのメルマガ

初月無料で読む

 


 

tbbook202211

最新刊
信じる者は、ダマされる。
元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口

好評発売中!


image by: Sun Myung Moon, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

多田文明この著者の記事一覧

悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」 』

【著者】 多田文明 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 14日・28日

print
いま読まれてます

  • カネが絡まぬハズはない。恐ろしい統一教会「養子縁組問題」の犯罪度
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け