2.ジーンズカジュアルのドレスアップ
次にカジュアルからドレスアップしてみよう。
最もカジュアルな服装は、Tシャツとジーンズだろう。
同じジーンズでも、新品の方が古着よりもドレスアップである。新品でもダメージが多いほどカジュアルになり、色の濃いものよりブリーチしたものはカジュアルとなる。
Tシャツも同様だ。真新しいもので細番手の艶のある糸使い、体に適度にフィットした無地のものはTシャツの中でもドレスアップしたもの。プリントTシャツもシックな色使い、柄使いはドレスアップとなる。簡単にいえば、きれい目に見えるものほどドレスアップだ。
ジーンズは労働着に由来しており、最もカジュアルなアイテム。保守的なホテルやレストランではジーンズ不可というところもある。
しかし、チノパンツならほぼ大丈夫だ。同じチノでも、シワになるものより、防シワ加工でセンターラインが消えないパンツの方がドレスアップであり、ドレスアップチノ等と呼ばれることもある。
しかし、これらはあくまで原則に過ぎない。最終的には見る人の印象で決まる。ダンガリーのシャツとポロシャツを比較する場合、糸や生地のグレード、ボタンのグレード等により、ダンガリーシャツがよりドレスアップになることもあるし、その反対の場合もある。基準はあくまで相対的なものだ。
もう一つ重要なことは、着用している人間である。人間のマナーや言葉づかい、仕種によって、エレガントにも見えるし、カジュアルにも見える。人に与える印象は「人+服」で決まるのである。
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