日本列島を襲う大寒波で「車の立ち往生」が相次ぐ危険性。ゲリラ豪雪から命を守るには?

 

森林放置が重大な問題を引き起こすことも

今回の豪雪に関しては、兵庫県内等山間部の道路で沿線の樹木が倒れ、集落が孤立化した事例も発生した。この事例についても、記述する。

同様の事例を、かつて人と防災未来センター在職時に、2014年12月に徳島県三好市や東みよし町で孤立集落が発生した案件が参考になると思われる。

同自治体や住民の方に調査を行ったが、やはり道路沿線の倒木がきっかけになって孤立化していた。その後、徳島県では、県道沿線を中心に樹木の伐採を進め、雪氷災害対策を行っている。

また、調査でわかったが、この背景には国内の材木が利用されず、放置されていることが根底にあるとの指摘を受けた。

海外からの安価な材木に押され、国内の材木が「放棄」され、結果放置された材木が雪氷災害で悪影響を生んでいるという。

この部分に関しては、国としても防災の観点から対策が望まれるが、民有地が絡む場合があり、この対処が困難になっているだろう。

今後も局地的豪雪の可能性が高い。これまでの前例を活かした、また研究を活かした対策が望まれる。

image by : Narongsak Nagadhana / shutterstock

古本尚樹(ふるもと・なおき)

北海道大学大学院医学研究科社会医学専攻地域家庭医療学講座プライマリ・ケア医学分野(医療システム学)博士課程修了 博士【医学】。東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退。防災・危機管理アドバイザーとして、さまざまな研究や講演を行う。専門分野は新型コロナウイルス対策(住民・自治体・企業対策、従業員の健康、企業業務継続計画[BCP]等)、危機管理、災害医療、自然災害防災対策、被災者の健康等。熊本大学大学院自然科学研究科附属減災型社会システム実践研究教育センター特任准教授(2016~2017)、公益財団法人 地震予知総合研究振興会 東濃地震科学研究所 主任研究員(2018~2020)。

個人HP https://naokino.jimdofree.com/

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