安倍氏「国賊」に偽りなし。統一教会が手を染めてきた“汚い仕事”

 

世界反共運動の扇動者

そのためにも、この問題を大きな世界的な枠組みでもう一度、捉え返す必要がある。米下院フレーザー小委員会は、60年代から始まった統一教会勢力の特に米議会活動への侵入ぶりを3年間かけて調査し、78年に報告書を発表(写真1)。それにより同勢力の活動は大きく制約されたが、81年に旧ソ連を「悪魔の帝国」と呼び対決を呼号するレーガン大統領が出現すると俄に蘇り、80年代前半を通じて様々な民間団体を作って活動した。特に当時レーガン政権にとって1つの重点であったニカラグアを舞台とする宗教戦争には、統一教会も“参戦”し、日本で掻き集めた資金ばかりでなく“戦士”までも投入した。

図1》は、当時84年10月1日号の本誌が報じた「統一教会コングロマリット資金・組織相関図」で、9月16~17日付「ワシントン・ポスト」が2日続きで掲げた大特集の情報をベースにして作成したもの。当時、文鮮明は米連邦最高裁から脱税で有罪が言い渡され、服役中だったが、このような宗教法人からかけ離れた国際コングロマリットの組織は健在で、日本から収奪した資金を原資として米国を中心に各国で不動産投資、建設会社設立、銀行買収、マグロ漁業や牧場経営、「世界日報」の外にも出版社、テレビ番組制作会社などのメディア企業経営等々に手を広げた。ニューヨーク・マンハッタンの中心部で買収した「ニューヨーカー・ビル」が当時の統括本部で、その中の文鮮明の豪奢な部屋にはキリスト、仏陀、レーガン大統領、天皇が文の前でひざまづいている合成写真が飾られていたという。

日本の「世界平和教授アカデミー」の理事長は松下正寿=元立教大学総長・民社党参議院議員で、同アカデミーの在米米組織をはじめ「科学統一国際会議」「世界メディア協会」などを舞台に83年4月には全米30社の編集者100人をアジア旅行に招待し中曽根康弘首相に合わせたり、9月には46カ国から240人の科学者を招いて国際会議を開くなど、反共宣伝工作を展開した。

この図では右下に「コーザ・ラテン・アメリカ」とあってウルグアイとの関わりが描かれているだけだが、中南米は実は米CIAと統一教会勢力の反共活動が全力を集中していた熱いスポットだった。

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