アマゾンはともかく、診療のオンライン化は避けて通れません。ITの浸透による、消費者行動の変化は、医療にも及んできています。
そしてIT化の動きは「不可逆」で、元に戻ることはないでしょう。
IT導入の設備投資に、積極的なお医者さんや薬局にとって、早く取り入れる方が有利になると思われます。
また、アマゾンとしては処方薬の販売に加えて、顧客データが収集できることが重要だ、と考えているはずです。
これまでは、本や雑貨、ビデオや音楽といった商品やサービスにおいて、ユーザーの好みを分析して、サイトを改善したり、レコメンデーションを出していました。
私が在籍していたころから、それがAmazonの最大の差異化ポイントです。
今回はそれに加えて、ユーザーの健康に関する個人情報が、入手できる可能性もあります。
消費者の健康に関する関心や興味は、ますます高くなっています。
ユーザーが処方箋で調剤薬を入手する、ということは、そのユーザーが、どんな健康への関心事項を持っているかが、推測できることになります。
これは私の推測ですが、こうなると、「この人には、健康に特化したスマートウオッチを、レコメンドしよう」などと、AIを使った仮説構築による、レコメンデーションが、できるようになるでしょう。
一方で、オンライン薬局を利用する患者側は、自分の病気や怪我の中身も、データとして提出することになります。
機微を含む個人情報になるので、アマゾンに限らず、患者側は、個人情報が守られるのか、考えなければならない時代になりそうです。
IT化、DXの浸透は避けられない動きです。企業側は、ITを取り入れることで、顧客の利便性をあげたり、業務を効率化したいところです。
しかし、個人情報の取り扱いなど、顧客も気がつかない、プライバシーへの配慮を、より注意しなければならない時代になりました。
また、顧客側も便利になるなら、デジタルで買おう、という傾向は増すでしょう。
しかし、ネットでの購入は、自分がさらけ出したくない情報を、開示しなければならないことなど、注意すべきことが増えるのも事実です。
便利になるのは嬉しいですが、それに伴って考えなければならないことは、当たり前ですが増えていきます。
インターネット、ITの利便性の向上は、“ただ”ではない、ということを考えさせられる、事例でした。
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