やっと一審判決。なぜ韓国「玉ねぎ男」の裁判はここまで長引いているのか?

Seoul Central District Prosecutor's Office in South Korea
 

まねぎ男・チョ・グクの容疑は、法務長官に任命される前にすでに明らかになり始めていたが、文在寅大統領はついに己の我を通して彼チョ・グクを長官に任命してしまい、国家的葛藤構図を作ることになってしまった。

文在寅はチョ・グクのような男を採用して国家を二分するような大きな事態になったにもかかわらず一切謝罪もせず、むしろ「チョ・グクに心の借金がある」と話したものだ。自身の不法を一度も認めなかったチョ・グクは「検察が捜査ではなく狩りをした」として回顧録まで出した。今回の判決はそのような文政権とチョ・グクに対する断罪となった。

この裁判はもともとこれほど長くかかる事件ではなかった。チョ・グク関連の疑惑は多かったが、偽造文書など明白な証拠も多かった。だが、キム・ミョンス最高裁長官がウリ法研究会(ウリとか民族とか正義とかがついてくると韓国ではたいていガリガリの左派を意味する)出身のキム・ミリ判事にこの事件と文政権最大不法の一つである「青瓦台の蔚山市長選挙介入事件」を任せ、裁判が果てしなく遅延されることとなった。

キム・ミリ判事は蔚山事件では1年3か月間、有罪・無罪を決める裁判を一度も開かなかった。そうするうちに突然休職し、両事件とも裁判が遅れた。蔚山事件も起訴されて3年が過ぎたが、まだ1審判決が出ていない。その間、選挙工作で蔚山市長になった人は任期を全うして再出馬までした。金・ミョンス式の裁判遅延は、それ自体が不義だ。

裁判所の前では、「チョ・グク死守」と「チョ・グク即収監せよ」のデモ隊が道に両側に別れて大声をあげていた。実刑判決を受けても「死守しよう」という輩の多いのには驚かされてしまう。

民主党は「判決と関連して別になんの立場もなく、党レベルで論評する計画もない」とだけ明らかにした。今は李在明問題で頭の痛い民主党だ。チョ・グクまで手が回らないといった格好のようだ。

ただこれは第一審にすぎずチョ・グクが控訴すると明らかにしているだけに結局は大法院(最高裁)にまでいくだろう。最終判決が下されるまでまだまだ時間がかかりそうだ。それにしても一審で2年いう有罪(実刑判決)が出たことは、今後いつになるかわからないが必ず開かれる李在明裁判にも影響のないはずはなく、検察側に多少風向きが向いてきたとみていいだろうと思う。韓国検察よ、がんばれ。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年2月4日号)

image by: Shutterstock.com

キムチパワーこの著者の記事一覧

韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 キムチパワー 』

【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

print
いま読まれてます

  • やっと一審判決。なぜ韓国「玉ねぎ男」の裁判はここまで長引いているのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け