日々進歩を遂げている医療。その最先端の研究や論文を日刊で紹介してくれる「もりさわメンタルクリニック」さんの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では今回、1月27日に公開された「偏頭痛」の予防に関する研究を取り上げています。248人の偏頭痛に悩まされている人たちへの試験によって、上腕に電気刺激を与えることで有意な予防効果がみられたと、偏頭痛持ちにとって今後の予防に期待が持てる研究結果を伝えています。
電気刺激による片頭痛の予防効果
片頭痛が強い日には、集中が困難になったり、起き上がれない状態になる等、生活への大きな影響が認められます。
今回は、上腕からの電気刺激 remote electrical neuromodulation (REN)によって、片頭痛に改善効果を認めるかを調べた研究をご紹介します。
遠隔的電気刺激による片頭痛予防
片頭痛のある248人が対象となり、遠隔的電気刺激(REN)を行うグループと偽刺激を行うグループに分けて、4週間の経過を観察しました。結果として、以下の内容が示されました。
- RENを用いたグループでは、片頭痛の強い日が減るなどの明らかな効果を認めました(例:発作の強い日の減少について、平均で示すとREN 4.5日 vs 偽刺激 1.8日)
- 発作の強い日が50%以上減ったのは、REN 51.6% vs 偽刺激 35.7%でした。
要約:『遠隔的電気刺激(REN)は片頭痛に対して、予防的効果を認める可能性が高い』
1日おきの刺激で、明らかな副作用もなく、負担の少ない予防のための選択肢として検討可能な方法であると思われました。
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