特に岸田内閣は「安倍元首相のアンチ的な政治」を行いながら「安倍内閣の功績の塗りなおし」をしているのです。そのために少子化対策などに関しても、「異次元」という言葉を多用したり、防衛に関する予算を大幅に改善するということを氏「安倍晋三ではできなかったこと」を実現するということを行っています。
安倍晋三氏が亡くなった後の岸田首相の記者会見、昨年7月14日では「安倍元首相がなしえなかった憲法改正」ということを言いましたが、どのように変えるかということは表明していません。
このように見れば、長年対立構造にあった「清和会vs.宏池会」という関係があり、なおかつ山口県内の中での対立があった林外務大臣が、自分の政治的立場を無視して、外交を行うということはしないと思います。
外交の世界は、今でも「安倍内閣による外交」が影響が大きく、特に今回のG20の議長国のインド、モディ首相と安倍元首相は、非常に親しかったことでも有名なのです。
このように考えれば、「まず先にモディ首相を懐柔してからでなければ、公式な席で安倍内閣の功績を塗りなおす外交」ができないということになるのです。
案の定、岸田首相はG20の直後、インドを訪問し、モディ首相を訪ねるということを調整しています。安倍首相の功績の塗りなおしを行うということを、しっかりと考えているのです。
外交という国の代表的な内容を、まさか、「清和会vs.宏池会」、または山口県内における長年の個人的な対立関係で、欠席するなどというのはあり得ない話ですが、取材の中ではそのような声が少なくないのです。
私自身はこのような「個人の事象で公の仕事をしないなどということ」はあり得ないと思いたいのですが、もしもそのような状況であるならば、岸田内閣は、外交権を行使できないことを理由に総辞職すべきかもしれません。
(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2023年3月6日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)
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