部下の仕事の仕方に不満があるという上司の皆さんは、きちんと指示を出せているのでしょうか? 今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者、石川和男さんは、 これからの時代の「指示の出し方」について伝授しています。部下のいる上司は必見の内容です。
AI時代に生き残る人の「指示」の出し方
まとめて指示を出すのは、「ドラマの世界」だけ
私は建設会社の総務経理を担当しています。2月は、通常業務のほかに確定申告書の作成、新卒者の採用手続きなどが重なり、毎年慌ただしく過ごしています。大変な仕事量ですが、17時以降は講師業の仕事もあり残業することができません。部下の力を借りながら、何とか定時に終わらせています。
今回のテーマは、その部下への指示の出し方です。同じ業務でも、指示の出し方によって仕事のスピードが違ってきます。
年末年始は、懐かしさもあり『24-TWENTY FOUR-』というアメリカのテレビドラマを観て過ごしました。CIA内部に設立されたテロ対策組織が、大統領暗殺の計画を阻止したり、ショッピングモールに仕掛けられた爆発物を除去したりなど、分刻み、秒刻みで任務を遂行していく人気ドラマです。今回久しぶりに見直しましたが、相変わらずハラハラドキドキして、感情移入しながら楽しみました。
私は、このドラマを初めて観た10年前、大失敗をおかしたことがあります。
ドラマでは、組織のリーダーが部下に次々と指示を出し、部下も期待に応えて任務をやり遂げます。その姿に影響され、「24(トゥエンティーフォー)感覚」で、部下に指示を出しまくってしまったのです。
以下の「 」書きを早口で読んでみてください。
「C君、20日締めの請求書の発行処理を頼む、30件ぐらいあったな。それから来週の会議資料を明日までに送って。会議の後の親睦会の店、8名で予約しておいて。飲み放題で料理はセット。税込で5,000円以下。時間は19時ぐらいからかな。あっ!部長から頼まれた新製品のアンケートをまとめた報告書作った?あれ今日中に頼む」
ついついドラマの主人公に憧れて、こんな指示を出していました。部下は耐えられないですよね。
次から次へと指示されて、それを確実に遂行できるのはドラマのなかだけの話です。現実の世界では、まとめて指示することは部下の混乱を招きます。
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