聖徳太子が摂政となった時に決まった「我が国の権力体制」と問題点

Japanese lantern showing the Chrysanthemum design of the Imperial Seal of Japan at the Meiji Shrine, Tokyo
 

さらに次の質問もしてみました。

■質問

国家最高の存在が国家最高権力者であった場合の問題点は何ですか?

【ChatGPT(AI)の回答】

1.権力集中と暴走の可能性

国家最高権力者が国家最高の存在である場合、その権力は非常に強大なものになります。このような権力が一つの人物に集中すると、その人物が誤った判断や行動を取った場合、国家に深刻な影響を与えることがあります。また、権力の暴走や濫用が起こる可能性もあります。

2.民主主義の制約

国家最高権力者が国家最高の存在である場合、それによって民主主義的なプロセスが妨げられることがあります。民主主義においては、政治的権力は国民から委任されたものであり、権力者は国民の意志に基づいて行動する必要があります。しかし、国家最高権力者が存在する場合、その人物の意志や権力が国民の意志を上回ることがあるため、民主主義的なプロセスが制約される可能性があります。

3.人権侵害の可能性

国家最高権力者が国家最高の存在である場合、その人物が人権を軽視するような行動をとった場合、国民の権利や自由が侵害される可能性があります。国家最高権力者が人権侵害を許容するような政策を進めた場合、国民の幸福や自由が制限されることになります。

4.後継者問題

国家最高権力者が国家最高の存在である場合、その後継者問題が重要な問題となります。国家最高権力者が死亡、病気、辞任などで退く場合、その後継者を決めることが重要になります。後継者問題に対する政治的混乱が起きる可能性があります。

以上のように、国家最高権力者が国家最高の存在である場合には、政治的に重大な問題が生じる可能性があることを考える必要があります。

これまた筆者の文章ではなくて、ChatGPT、つまりAIの回答です。

日本における天皇が、国家最高権力者ではなく国家最高権威となり、政治権力がその下に置かれるようになった事始めは、歴史上は第33代推古天皇の時代からのことです。

この時代に天皇の直下に摂政が置かれ、聖徳太子が我が国初の摂政となりました。

摂政とは「政治を摂(と)る」役割を意味します。

推古天皇の時代は、その前におわされた第32代崇峻天皇が、在位わずか5年にして臣下である蘇我馬子部下の東漢駒(とうかん こま)によって暗殺されるという、大事件が起こった時代です。

こうなると、後継ぎは誰もがいやがります。

そこで、先々代の第30代敏達天皇の皇后であった額田部皇女が、次の天皇として御即位されました。これが我が国初の女性天皇である第33代推古天皇です(神功皇后を天皇に数えない場合、推古天皇が我が国初の女性天皇となる)。

推古天皇もまた、政治権力者であれば、いつ暗殺されるかわからない状況です。

そこで皇太子であった聖徳太子が、政務の一切を司ることになりました。これを摂政(旧字:攝政)といいます。

【日本書紀の原文】

(推古天皇元年)夏四月庚午朔己卯、立厩戸豊聡耳皇子為皇太子、仍録攝政、以萬機悉委焉。

その後、摂政は太政大臣と名前を変え、また武家政権の時代には将軍がそれと同義の地位となりました。

日本は世界で唯一、国家最高の存在を、政治権力者ではなく、最高権威者としてきた国柄を持つのです。

そしてこのことは、AIが質問に答えた通り、世界最高峰の統治スタイルであるといえます。

いま、日本は解体的出直しが必要といわれています。

これにあたり、我々日本人は、いまいちど日本の古代からの叡智である「知らす国」を再考してみる必要があると思います。

日本をまもろう!

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静岡県出身。国史研究家。倭塾塾長。日本の心をつたえる会代表。日本史検定講座講師&教務。インターネットでブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。 著書に「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人」第1巻~第3巻。「ねずさんの日本の心で読み解く百人一首」がある。

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