ホットケーキが80円?マクドナルドに対抗した「昭和の喫茶店」の今

Japanese Showa style cafe interior
 

オムライスや焼き飯を頼むと一緒に出される2種類のソースの容器は、胴体を手で押すと、中のソースが出てくるという、昔の食堂にあったようなもの。

ソースは、ウスターソースとお好み焼きソース。

焼き飯にソースを掛けるのは、関西の文化ですが、お好み焼きソースが出てきたり、オムライスにも掛けるのは、他で見たことはありません。

また、オムライスの中身は、チキンライスやケチャップライスではなく、焼き飯になっています。

店主は、独特のセンスを持っているようです。

メニューは、40年前のものを使っていて、ボロボロ。破れていて、文字が読めないところもあります。何とか判読して注文しても、「もう、やってない」と言われることも。

その言い訳が、「そのメニューは40年前のものだから」。笑うしかありません。

他にも、お客さまがいっぱいいる時は、手間の掛かるものは「今日はできない」と、断られたりします。

接するのが少し難しい店主ではあります。それ以前に、会話が成立しないこともあります。

注文をしていても、突然まったく違う話をされたり、黙ってじっと遠くを見る目をしていたり。年齢的に仕方がないのでしょうが、かなり個性のキツい店主だと言えます。

横柄な態度を取るわけではありません。素のままで接しているのが、面白いとも言えます。

怒るお客さまはいません。

最初に、「昭和をまるごと保存」と書きましたが、昭和の店舗と家具、食器などをそのまま使い続け、すべてが劣化し、ボロボロの状態です。

よく「時が止まった」という表現をしますが、そんなイメージではありません。

昭和から時は流れ、その時間とともに古くなって、かなり傷んでいます。

昭和ではもっと綺麗だったはず。

博物館のように、“当時”を保存することはできていません。

しかし、年号が変わらず、昭和が続いた状態を見ることができます。

お店は、古くなると修繕したり、改装したりしますが、このお店は放置しています。

老舗と言われるお店で、こんな姿を見ることはできません。

非常に貴重です。

お店もメニューも店主も面白い。

お店づくりの参考にはならないかもしれませんが、他にはない商売、他にはいない商売人を見ることはできます。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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