閉鎖的な体質が問題。日本で働きたくないアジア人が増えている訳

 

不評な「ホウレンソウ」

もう一つ、不評なのが「ホウレンソウ」など、日本独特のやり方です。

「日本企業はホウレンソウ(上司への報告・連絡・相談)が大事だと言うが、外国人を信用していない、任せてもらえていないと感じることが多い」とも語る。アジアの日系企業は現地社員が新規事業などを提案した場合、現地法人の上司に報告された後、本社で検討、協議されて承認を得るケースがほとんどだ。これではどんなに優れた提案でも、事業開始には大幅な時間がかかる。

ぶっちゃけ、とっても慎重に物事を決める日本企業に対し、イライラするんだと思います。

「持ち帰りして検討」「一旦決めたら変えない」文化も不評です。新興国であるマレーシアは毎年のようにダイナミックに変化しており、物事が早く変わります。数年前とはまったく違うことを言い出したりします。学校の卒業式も日程がジャンジャン変わります。「やってみてワークしなればやめる」です。

これが日本人にとっては「テキトー」「いい加減」に見えてしまうのですね。逆にみると、日本だけが世界の中で不思議な会社文化を持っているように見えてしまうのです。

それでもグローバルに行きたい企業は、どうしたらいいか。付け焼き刃の「セミナー」とか教育機会でわかった気分になるよりも、一旦、日本の外で外国人の中で働く機会を持つことがいいように思います。欧米だけではなく、アジアの企業がどうやっているかを観察すること。そこから「なるほどこれもありか」と学ぶことが重要かもしれません。

※ 本記事は有料メルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』2023年3月30日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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文筆家・編集者。金融機関を経て95年アスキー入社。雑誌「MacPower」を経て以降フリーに。「ASAhIパソコン」「アサヒカメラ」編集者として主にIT業界を取材。1990年代よりマレーシア人家族と交流したのときっかけにマレーシアに興味を持ち11年以上滞在。現地PR企業・ローカルメディアの編集長・教育事業のスタッフなど経てフリー。米国の大学院「University of the People」にて教育学(修士)を学んでいます。 著書に「東南アジア式『まあいっか』で楽に生きる本」(文藝春秋)「子どもが教育を選ぶ時代へ」「日本人には『やめる練習』が足りていない」(集英社)「いいね!フェイスブック」(朝日新聞出版)ほか。早稲田大学法学部卒業。

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