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クリミア半島を奪還へ。ウクライナ軍春の大攻勢のシナリオ

3月下旬に、ドイツからレオパルド2戦車18両が続々とウクライナに到着している。チャレンジャー2戦車28両も英国から到着して、レズニコフ国防相は、4月か5月に春の大攻勢を始めるという。

4月中旬までには、スペインなどからのレオパルト2が4両届くなど70両程度にはなる。また、レオパルト1戦車も各国の倉庫から出し、修理して届くことになり、178両のレオパルト1戦車がウ軍に届くことになる。欧米製戦車は276両にもなる。

また、ドイツはマルダー歩兵戦闘車40両も送り、大規模な歩兵戦闘車も揃うことになる。その他、T72やPT-91戦車が300両程度温存しているので、これらを使った反転攻勢が始まることになる。

北マケドニアからMi-24攻撃ヘリやSu-24などを受け取り、ザルジーニ総司令官はF-16の提供が必要であると述べている。それは、ウ空軍のパイロットの戦死も多く、とくに熟練者の戦死が続き、空軍力が弱くなり、元米軍パイロットとともにF-16の供与が欲しいようである。空軍の熟練人員不足があるように見える。しかし、今は現有勢力で春攻勢をするしかない。

防御面でも65名のウクライナ兵がパトリオット防空システムの訓練を終了して、実戦配備される。20台以上のパトリオットが配備されたようである。これで、弾道ミサイルも迎撃できることになる。春攻勢に合わせて、防御も拡充したことになる。

それと空軍力を補うために、中国DJI Mavic 3Tサーマルドローン300機が前線のウ軍に渡された。中国製品はロシアだけではなく、ウ軍でも使われている。

春攻勢の予想では、

  1. ザポリージャ州のボルノワハからメルトポリへの鉄道路線を遮断することから始まり
  2. ザポリージャ州南部を奪還して、その後
  3. ヘルソン州の奪還
  4. クリミアを攻撃してクリミア半島を奪還

することになると見られている。

ウ軍は、この大攻勢に10から12旅団、兵員4万人から5万人、戦車300両、歩兵戦闘車600~700台、火砲500門を使用するとみられている。

ザポリージャ州南部を奪還すると、GLSDBでクリミア大橋を攻撃できるので、クリミアを孤立化できることになる。

1つの作戦は、4週間程度かかるので、4ヶ月以上は掛かることになる。

このため、ウ軍は今年、すべてのロ軍を領土から追放する可能性は低い、と米軍のミリー統合参謀本部議長は言う。しかし、欧米側には、戦争終結へのシナリオがない。

そして、各国報道機関がウ軍の春攻勢報道するので、ロ軍がザポリージャ州に人員・装備を集めると、ドネツクを先に攻撃する可能性もある。すでに、チャンプ・ヤールに大量の装甲部隊が集結していることからも、可能性がある。

このウ軍の春攻勢をロ軍も、看過することはできないので、次の動員を開始しているが、召集というと反発が大きいので、募集にしている。40万人規模ということであり、また、北朝鮮から弾薬と兵器を食糧と交換で入手するようである。

クリミア半島では、ウ軍の無人機攻撃が頻発して、クリミアに住むロシア人たちが退去し始めて、不動産価格が半分程度になったという。クリミア占領当局もクリミアから本土に撤退するので、浮足立っている。

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