王毅政治局員が林外相に「笑顔」で送ったメッセージ
そのメッセージ、そしてmutingの努力はすでに日本政府に対しても行われています。
月初めの林外務大臣の訪中時に、王毅政治局員は林外相に「日中の健全な外交関係・友好関係は、時折、望まない雑音に阻まれて緊張に見舞われることがある。日本にはぜひアジアの一員としての自覚を持ち、雑音に紛らわされず、日本、そしてアジア全体にとって、どのように振舞うのがもっとも利益となるのかを理解してほしい」と“笑顔”で述べ、日本にメッセージを送ったと言われていますが、その“メッセージ”をどう受け取ったでしょうか?
ウクライナ問題への対応において、これまでの欧米と中国・ロシア両にらみの外交姿勢を捨て、いち早くG7との連帯を謳い、ロシア非難とウクライナ支援を推し進め、中国包囲網で主体的な役割を果たすことにした時点で、日本は親欧米・反中ロというラベル付けがされてしまいました。
これでこれまでのアクティブにどっちつかずの態度を取り、自国の厳しい安全保障環境を乗り切るという独特の立ち位置を失ったように思います。
分断が進み、中国による工作が進む中、各国はどのような“未来”を描き、そこで日本はどのように存在するのか。今一度、真剣に考え、針路を定める必要があると考えます。
以上、国際情勢の裏側でした。
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