永江さんからの回答
対策としては、
- 数字を含む文書でレポートをさせる
- 社員を再評価して分類して、悪影響ある人を排除する
- 評価・給与制度を見直す
があると思います。
まず、感情的で事実を捻じ曲げてしまう人は論外なので、数字を含めた文書でレポートさせるようにするのが有効です。数字がなければ報告ができないフォーマットにして自分が数字を確認できるようにすれば、思い込みを理解し、事実が何かを確認する癖がつくはずです。それでも自分の感覚の方が正しいという人は要職から外すしかありません。
続いて他責的な人に対してですが、まずは本当に他責的なのかはよく確認した方が良いです。
わたしも新卒で入社したリクルートでそうでしたが、会社の制度や仕組み、サービスを変えた方が良いと言っているのに、上司からは会社のせいにするなと言われ意見を聞いてもらえませんでした(その後その事業部は不正などもあって取り潰されました)。
批判だけでなく建設的な意見を提示している人がいないかは自分の目で慎重に確認して分類していき、本当に他責的で変化する可能性が低い人だけ要職から外しましょう。実は悪影響ある中間管理職がいて、その人に気を遣って言えていないという場合もあるので注意が必要です。
そして、建設的な改善策を考えて成果を上げられる人たちには、より高い報酬を払うことが重要です。今の給与水準が低いというのはむしろチャンスなので(既に高いと上げることができないので)、成果に連動した業績給を追加して、成果を出せる/改善できる人の報酬水準は高まり・そうでない社員の給料は変わらないか下がるように変えるのが有効でしょう。
全社員を評価・リストアップして経営陣に詳細に報告し、育てていくべき人材には成果に応じた業績給を追加したいと提案すれば、受け入れられる可能性は高いはずです。
おそらく、これまで給与水準が低かったために素養がない人が集まり、他社に転職できない人が残り、残った人も会社が変わらないから変化しようと思わなくなってしまっているのだと予想します。ただ、それでも全員が全くダメだというケースはほとんどないので、これで改善が期待できるのではないかと思います。
おっしゃっているように、現社員を育てていくことも上位管理職の仕事なので取り組んでみてください。また悩みがあればいつでもご相談くださいね。
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