ウクライナ政府も激怒。露を利する米国「国家機密」漏えいの衝撃度

 

韓国政権を吹っ飛ばしかねない事態に発展の可能性も

北アフリカ・中東地域のアメリカの重要な同盟国であるエジプト政府は、もちろん真正面から内容を否定していますが、アメリカ政府も欧州各国も疑念を強めているようです。

一応、エジプト政府外務省は「エジプトは注意深くロシア・ウクライナ戦争に対してはサイドを取ることはせず、距離を保っている」と“第3極”そしてグローバル・サウスとの連帯を強調していますが、旧ソ連時代から長年、ロシアとは友好関係にあり、また現大統領のシシ氏はプーチン大統領とも仲がいいと言われているため、“何が”という点はまだ確認が必要かと思いつつも、“ロシアに対する武器支援”という点については、これまで触れてきた様々な情報に際し、個人的には腑に落ちる内容であったとだけ申し上げておきたいと思います。

次に見たいのは「韓国政府がアメリカを経由してウクライナに武器弾薬の供与を行う」という内容です。

これは韓国政府にとっては外交方針を根底から揺るがす重要な内容です。日本政府の方針と同じく、韓国政府も殺傷能力を持つ武器弾薬を供与しないという方針を堅持していますが、仮にアメリカ経由だとしても、戦争が継続しているウクライナに対して殺傷能力を持つ“なにか”を供与しているとなると、ただでさえデリケートなバランスで成り立つ現政権を吹っ飛ばしかねない事態に発展し得ます。(実際には「50万発の155ミリ砲弾を、韓国軍が米軍に“貸与”する」というスキームと言われています)。

そしてちょうど尹大統領が訪米するタイミングでのリークであったことも、韓国政府内では何らかの意図を感じているようですが、表向きはアメリカに気遣っているようにふるまいつつも、今回のことに対しては大きな不快感を表明しています。尹大統領の訪米は予定通りに遂行中ですが、米韓首脳会談での話し合いの内容に少なからず影響があると思われます。

またこのリークは、ロシアとも特別な経済関係を築いてきた韓国に別のショックを与えることになりそうです。

ロシアの自動車業界と韓国の自動車業界の非常に密接な関係。
シベリア開発における韓国企業の大躍進。
ロシア各地への就航を許可された大韓航空。
北朝鮮との“対話”を可能にする“もう一つのルート”を提供するロシア。

いろいろな特別な関係がロシアと韓国間には存在します。

今回のリーク内容が、もし一部でも本当であることが明らかになったら、この特別な関係の清算が行われるか、ロシア政府から何らかの“見返り”を求められることになるかもしれません。

反米感情が高まっていると言われている韓国国内では、尹大統領の留守中に、早速野党が騒ぎ立てているようですが、尹政権を確実に揺さぶる材料にされてしまいそうです。

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