リークされたNATO各国がF16戦闘機を供与しない理由
三つ目の理由は【ウクライナに最新兵器を活用する能力が備わっていない】との分析結果です。
今回、供与されるレオパルト2やアブラハムなどを最大限活用するには、どうしても陸・空の連帯態勢が出来ていないといけませんが、戦車から成る部隊を支援する空の戦力が物理的にないことと、対ロ制空権を発揮するだけの実力が(訓練不足という点で)備わっていないため、苦戦が予想されるという内容です。
またそれはアメリカをはじめ、NATO各国が、ウクライナが望むF16戦闘機(通常、1年以上の訓練が必要)を供与しないことにもつながっており、アメリカが描く戦略的なシナリオではこの夏までの決着・反転攻勢が計画されており、その実現にはF16の訓練は間に合わないため、投入しないという決定もリークされています(もちろん、そこにはロシアをあまり刺激しすぎてはならないとの思いもあります)。
ウクライナにとっては失望の内容となるかもしれませんが、雪が解け、足場が固まる4月末のタイミングはもうすぐそこに来ており、すでに編隊のre-arrangementをしているロシア側と交戦するための時間的な余裕はあまりないと思われます。
このような状況を受け、いかにウクライナが戦略を立て直し、実施に移すことができるかが、今後の戦況を占うものと考えます。
では当のアメリカ政府はどうなのでしょうか?
実は先述の通り、非常に困惑・混乱しています――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2023年4月14日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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