「時間を返せ」と怒鳴るバカ客
今回の件はネットでも、
「指より配達を優先させなきゃいけないってどういうこと?」
「そこまでノルマがきついのか?」
「どういう労働環境なんだ」
「大怪我をしたのに仕事をしなきゃいけない状況が怖い」
のような反応があり、業界の労働環境に疑問を抱く人が多いとわかる。だが、前出の男性は「会社のせいだけではない」とも話す。
「ネットで注文したら1日で届くのが当たり前になったのか、言葉を選ばずに言うと“わがままで自分勝手な客”が増えたと思います。荷物が多い影響で時間指定に数分遅れると『時間を返せ』だの『お前と違って暇じゃないんだ』と罵声を浴びせられたこともありました」
確かに、現代は時間通りに荷物が来るのが当たり前という便利な世の中になったが、そのことで、配達員はつらい思いをしているようだ。
「午前中指定でAM11:30とかに配達に行って、不在だったとき。BOXもないので仕方なく不在票を入れて他の配達をしていたら、その客から電話が来て『今すぐ持ってこい!』と。すぐには難しい旨を伝えると『会社にクレーム入れるぞ!』『SNSに晒す』など、大の大人からめちゃくちゃなことを言われるんですね。これ本当の話ですからね。はっきり言って、時間通りに荷物が届いて当然と思っている客の存在も、荷物の量と同じくらいストレスになっていました。指を切断した方も“遅れたら客に怒られるから早く配達しなくては…”のプレッシャーがあったのでは? と思っています」
物流業界の「2024年問題」で、社員の残業時間の上限が年間960時間に制限される。そのことで、労働基準法が適用されない個人事業主への負担増加が危惧されている。今回のようなことを繰り返さないためにも、配達員を守る態勢を早急に整えてほしいものだ。
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