オッサンの街・新橋から中目黒へ進出。やきとん老舗が「秘伝のタレ」と“おしゃレトロ”で目指す繁盛店

 

“ネオ大衆酒場”の次は“おしゃレトロ”

コロナ禍ではオフィス街近くの飲食街にはお客が少なくなったが、お客が減らないエリアがあった。それは若者が集まる街である。そこで、同社では新橋一極集中ではなく、新橋とは異なる顧客がいる新天地を求めた。そこで見つけたのが中目黒で30坪の物件。

店名は「まこちゃん ナカメグロ」。サラリーマンの街新橋の繁盛店がおしゃれになって中目黒にやってきた、というイメージだ。西田氏は「ここで営業することは、リスクヘッジであり新しい客層を発掘すること」と語り、若者をターゲットにしたデザインで食事も楽しむことができる店づくりを心掛けた。内装はおしゃれとレトロを融合した“おしゃレトロ”。エントランスをくぐると大きな円形のカウンター席があり、内側には煮込みをつくっている大きな鍋が置かれている。料理への期待が膨らむ。

「まこちゃん ナカメグロ」のデザインコンセプト“おしゃレトロ”を象徴する円形のカウンター席。お一人様、カップルの使い勝手が良い

「まこちゃん ナカメグロ」のデザインコンセプト“おしゃレトロ”を象徴する円形のカウンター席。お一人様、カップルの使い勝手が良い

代表の西田氏は「若者には“レトロ”の要素が人気。これまで“ネオ大衆酒場”が人気を博してきたが。さらに“新しいレトロの要素”が必要だと考えた」という。“ネオ大衆酒場”はデザインそのものが昭和30年代ごろに人気を博した“大衆酒場”の雰囲気があるが、「まこちゃん ナカメグロ」の“おしゃレトロ”にはそのイメージがない。備品や接客の心配りにレトロを感じる。例えば、テラス席の壁に掛けられてありお客が自由に着用できる「はんてん」がカラフルで、新しいセンスを感じさせる。この“おしゃレトロ”はこれから飲食空間づくりのトレンドとなって行くことだろう。

接客の心配りもしかり。「まこちゃん ナカメグロ」を利用して驚くことは、接客する女性従業員が20代そこそこと若いながらも、お客に積極的に語り掛けること。筆者が一人で飲食をしていたところ「うちのお店のことを楽しんでいますか」と語りかけてきた。それに対して私が「なんか楽しんでいないように見えましたか」と切り返したところ「いえいえ、当店ではお客様に元気になっていただきたくて、コミュニケーションを取るようにしているのです」と言ってくれた。

代表の西田氏も「新橋では当店を利用してくれたお客様に『明日も頑張ろう』と思っていただけるような対応を伝統的に行なっている」と語る。新橋一極集中から脱して、新天地で新しい客層を発掘することを志すようになっても、お客本位の文化は継承されている。

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