オッサンの街・新橋から中目黒へ進出。やきとん老舗が「秘伝のタレ」と“おしゃレトロ”で目指す繁盛店

2023.05.16
 

フードを強化して「食事ができる店」に

フードメニューはビブグルマン(*ミシュランで5,000円以下の優れた店)を取得した料理人が監修。新橋の店と同様にやきとんが看板商品で1本181円、さらにこちらの店はでフードメニューのバラエティを充実させて「食事ができる店」のイメージをもたらしている。

「まこちゃん ナカメグロ」のメニューの一つ「4種の肉刺しユッケ」1,078円は肉刺しが20gずつ楽しむことができる

「まこちゃん ナカメグロ」のメニューの一つ「4種の肉刺しユッケ」1,078円は肉刺しが20gずつ楽しむことができる

中でも“〆の逸品”の「まこちゃん鉄板もつ焼きそば」803円は印象深い。麺はこしのある太麺で茹で上げで250g、ホルモン60gとキャベツでやきとんの「名物秘伝たれ」をベースにしたソースを絡めている。

フードメニュー強化を象徴する「まこちゃん鉄板もつ焼きそば」803円。麺250g、ホルモン60g

フードメニュー強化を象徴する「まこちゃん鉄板もつ焼きそば」803円。麺250g、ホルモン60g

ドリンクは「名物 まこレモンサワー」616円と「瀬戸田レモンサワー」583円が印象深い。前者は店内仕込みの特製シロップにつけこんだ角切りレモンと少量のオレンジを配合。後者は広島県瀬戸田町産の無農薬レモンを低速ジューサーで絞ったもの。

客単価は3,500円を目指したが、現状は2,000~3,000円という。お酒の杯数は新橋エリアが3.5杯であるのに対し、中目黒は2.5杯程度となっている。これは中目黒の特徴と言えることで、顧客は中目黒の飲食店のはしごを楽しみにしていることから。お酒の杯数や客単価も低めになる模様。狙い通りに20代のお客や新橋の「まこちゃん」を知る中高年など、さまざまな客層から愛される店となった。客単価が低めとは言え、昨年11月にオープンして以来、月商は1,000万円を超えている。

「サラリーマンの街・新橋」の名店は、いまはブランドとなって若者の街で通用するようになった。「おしゃレトロ」はこれからのキーワードになっていくことだろう。

image by: 千葉哲幸
協力:株式会社マックスフーズジャパン

千葉哲幸

プロフィール:千葉哲幸(ちば・てつゆき)フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

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