辛坊治郎氏が暴露、ジャニーズ事務所「性加害」のウラ。ジャニー喜多川氏の淫行を「知らなかった」わけがない理由

 

現役の有名タレントにスキャンダルが波及する可能性

こう書くと、「知ってて、何で告発しなかったんだ?」となりますが、これが今回皆さんに説明する話です。

簡単に結論を言うと、現在活躍中の有名タレントの中に、元事務所トップの寵愛を受けてデビューし、その結果売れている人が現役で多数いる可能性です。

この皆さんは、現在の「Mee Too」運動的視点に立てば、間違いなく「性犯罪の被害者」でしょう。しかし、性犯罪と言うのは元々「親告罪」と言って、被害者が被害を認識して告訴しない限り罪に問えない犯罪でした。

例えばAさんがBさんに対して「性的犯罪を犯している」とCさんが思っても、この問題を告訴できるのはBさんだけで、Cさんには告発の権利は、近年法律が改正されるまでなかったのです。

これが殺人や窃盗なら違います。被害者が告訴しなくても、第三者が「犯罪があった」と告発したら警察は捜査してAを逮捕することができます。これに対して近年法律が改正されるまで長らく、性犯罪は詐欺罪などと同様に、強盗や殺人と違って「親告罪」と言って、被害者の訴えが必須な犯罪だったんです。

その理由は、詐欺などが典型ですが、例えば「恋愛成就に効くペンダント」を高価で買ったような場合、買った人が被害を認識しない限り犯罪は成立しないのです。買った人が「このペンダントにはこの値段がふさわしい」と納得している限り詐欺は成立しません。性犯罪の場合は、この事情に加えて、被害者に被害意識がある場合でも、性犯罪の被害者であることが表面化するのを恐れる被害者の気持ちを斟酌して、「被害者の訴えが無い限り犯罪として捜査しない」という原則が長年維持されてきたのです。

ただ、この後者の原則は、近年の世界的な性犯罪に対する認識の変化を受けて、「性被害は恥ではないので、積極的に被害を告発すべき」となって、変わりつつあります。日本で性犯罪が近年親告罪でなくなったのはこの世界的な流れを受けての事です。

ジャニーズ問題を告発した昔の週刊誌報道は単なる「商売」が動機ですが、今回のBBCの報道の背景には、「性犯罪も他の犯罪同様、直接の被害者の告発が無くても積極的に問題視すべき」という世界的な意識の変化があるのです。

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