ジャニー喜多川氏「性加害」の深すぎる闇。23年前の「国会審議」中身とジャニーズ“児童虐待の歴史”を紐解く

 

2000年には国会でも審議

「週刊文春」は1999年10月から連続して、複数元所属タレントら証言をもとにジャニーズ事務所についてさまざまな疑惑についてキャンペーン報道を行っていた。 そ後、「週刊文春」が提起した問題は国会でも審議されている。

2000年4月第147回国会衆議院「青少年問題に関する特別委員会」で、自民党阪上善秀代議士(当時)がこ問題を取り上げた。

厚生省(当時)「一般論としては児童福祉法に違反」

【厚生省児童家庭局長】

阪上「ジャニー喜多川氏は、親や親権者にかわって児童を預かる立場であります。児童から信頼を受け、児童に対して一定権力を持っている人物が、そ児童に対して性的な行為を強要する。もしこれが事実とすれば、これは児童虐待に当たるではありませんか。

厚生省児童家庭局長「今御指摘件は、性的な行為を強要した人物がこ手引(編注:平成11年3月作成子ども虐待対応手引き」)に言います親または親にかわる保護者などに該当するわけではございませんで、私ども、手引で言うところ児童虐待には当たらないというふうに考えております。」

阪上「児童福祉法第三十四条第六号は、児童保護ため禁止行為として挙げておりますが、ジャニー喜多川氏報道された行為が事実とすればこ法律に違反しているではないかと思いますが、いかがですか。」

厚生省児童家庭局長「御指摘個別事案につきまして、それを判断するため情報がございませんが、一般論といたしましては、児童に対しまして今申し上げたような性交類似行為をするということは、児童福祉法三十四条六号に違反しているというふうに考えられると思います。」

警察庁「違反行為があれば、厳正に対処」

【警察庁生活安全局長】

阪上「児童買春、児童ポル禁止法には抵触しませんか、お伺いをいたします。」

警察庁生活安全局長「個別具体的な事案にかかわる捜査でございまで答弁は差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますならば、児童買春、児童ポル法では児童買春をした者を処罰することといたしておるわけでございますけれども、児童買春とは、児童等に対しまして、対償を供与し、またはそ供与約束をして、当該児童に対しまして性交等をすることと規定されております。これに違反するような行為がございますれば、具体的な証拠に基づきまして厳正に対処してまいりたいと考えております。」

阪上「ジャニー喜多川氏ようなセクハラ行為は、今後警察庁としてどように追及し、捜査をされようとしておりますか、決ほどをお伺いいたします。」

警察庁生活安全局長「青少年健全育成は大変重要な私ども任務と考えておるところでございまして、今後とも、少年健全育成ためにあらゆる施策、そしてまた各種法令を適用いたしまして各種事案に対応して、健全育成を図ってまいりたい。また、関係機関とも緊密な連携をとってこ問題に対処してまいりたいと存じます。」

法務省「一般論としては、強制わいせつ罪が成立」

【法務省刑事局長】

阪上「十二歳少年がセクハラ行為を受けたという報道もありましたが、刑法によれば、十二歳以下少年にわいせつな行為をした者は強制わいせつ罪にも問われると思いますが、いかがですか。」

法務省刑事局長「一般論として申し上げますれば、刑法では、十三歳未満少年についてわいせつな行為をしたときには、それ自体で強制わいせつ罪が成立することとされております。」

阪上「条例違反や児童福祉法違反、強制わいせつ罪は、被害者から訴えがなくても捜査対象となると思いますが、いかがですか。

法務省刑事局長「今御指摘ような犯罪につきまして、被害者から被害申告あるいは告訴、こようなことが捜査を開始する要件とされているわけではないというふうに理解しております。」

「NHK電波が一事務所意向で左右されてはならない」

【郵政省放送行政局長】

阪上「NHK電波が一事務所意向で左右されることがあってはならないと思いますが、郵政省はどような御指導をされておるか、お伺いをいたします。」

郵政省放送行政局長「お尋ね件でございますけれども、これはまさに放送事業者たるNHK番組編集権にかかわる問題でございまして、NHKみずから判断すべきもというふうに考えているところでございます。ただ、一般論として申し上げますと、NHKはそ公共性を十分配意いたしまして、番組編集に当たって適切に対応されるもというふうに期待しているところでございます。」

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