明らかな“オカルト”「人為的地球温暖化論」はなぜ広がったのか

 

サッチャーの偉かったところは、2003年頃から人的温暖化懐疑論者に転向して、欧州で次々に導入される「高コストで経済的ダメージの大きいCO2抑制策は愚策だ」と嘆くようになったことだ。サッチャーは、「地球寒冷化のほうが地球温暖化よりもはるかに害が大きく、科学が歪曲され、反資本主義、左翼政治アジェンダに使われることは、人類の進歩と繁栄にとって深刻な脅威である」と考えていたという。

基本的にこの認識は正しいと思うが、一つだけ異論をはさむと、この頃から、人為的温暖化は資本システムに組み込まれ始め、環境ビジネスで儲けようとする企業や、環境に優しいと標榜する政策を掲げて、選挙の票を稼ぐ政治家にとっては、なくてはならないアイテムになったのである。科学的にはどんなにいかがわしくとも、グローバル・キャピタリズムにとってすら、もはや手放すことが出来なくなってしまったのだ。

日本ではあまり取り上げられなかったが、クライメートゲート事件(2009年、英国イーストアングリア大学の気候研究ユニットのコンピュータから大量のメールを含み文書が流出して、IPCCに大きく関与した気候学者たちの捏造が明るみに出た事件)は、IPCCに集っている気候学者たちが、データを細工して、インチキな「ホッケースティック」グラフ(20世紀後半になって地球の気温が急激に上昇したように見せかけるグラフ)を作ったことを白日の下に晒した。(一部抜粋)

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