明らかな“オカルト”「人為的地球温暖化論」はなぜ広がったのか

Shutterstock_1596115693
 

台風の巨大化や大雨の頻発などの異常気象は、地球温暖化の影響とされ、温暖化の原因を人間の活動によるものとする説も広く信じられています。この「人為的地球温暖化論」こそが政治的プロパガンダで、20世紀後半以降最悪の“オカルト”であると声を大にするのは、CX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの池田清彦教授です。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、「人為的地球温暖化論」が政治的に利用されるようになった経緯を振り返り、すでに事実を無視して手放せないものになってしまった現状と、ウソを隠す動きがあることを明らかにしています。

人為的地球温暖化という最悪・最強の現代版オカルト

20世紀後半から現在に至るまでの最悪の現代版オカルトは、人為的地球温暖化論であることは間違いない。CO2の排出によって起こる人為的地球温暖化が、人類の存亡を左右する危機をもたらすという言説は、他の現代版オカルトと同じ針小棒大な与太話なのだけれども、権力とマスコミの大々的な宣伝により、多くの無知な人々は、人為的地球温暖化を絶対の真理と信じ込まされているようだ。

しかし、科学的エビデンスは人為的地球温暖化論が怪しげな説であることを示している。例えば、渡辺正は膨大なデータを基にCO2元凶説を論駁している。『「地球温暖化」狂騒曲 社会を壊す空騒ぎ』(丸善出版、2018)あるいは『「気候変動・脱炭素」14のウソ』(丸善出版、2022)などを参照されたい。

私も『環境問題のウソ』(ちくまプリマ─新書、2006)、『新しい環境問題の教科書』(新潮文庫、2010)、『ほんとうの環境白書』(角川学芸出版、2013)、『環境問題の嘘 令和版』(MdN新書、2020)、『SDGsの大嘘』(宝島社新書、2022)、『専門家の大罪 ウソの情報が蔓延する日本の病巣』(扶桑社新書、2022)などで、繰り返し、人為的地球温暖化論のいかがわしさを公表しているが、衆寡敵せず、人為的地球温暖化を信じているオカルト信者の心には届かない。

人為的温暖化論は科学的エビデンスを捻じ曲げて作った砂上の楼閣で、事の最初からして、科学というより政治的プロパガンダであった。1960年代後半から1980年頃まで、気候学者は地球寒冷化を警告していた。日本では気象学者の根本順吉が1973年に『氷河期に向かう地球』を出版して、俄かに寒冷化の恐怖が人口に膾炙して、1980年代初頭まで、20冊くらいの寒冷化警告本が出版されている。

歴史的に見ても、温暖化は豊作をもたらし、寒冷化は飢饉を引き起こすので、地球寒冷化が恐ろしいことは間違いない。実際、1940年から1970年の30年間に地球の温度は0.2℃下がっている。しかし、1970年から地球の温度は反転して2000年まで上昇を続けた。付言すれば2000年以降、地球の温度は余り変わっていない。

この記事の著者・池田清彦さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 明らかな“オカルト”「人為的地球温暖化論」はなぜ広がったのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け